あれも、これも、かなう。西武鉄道
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西武鉄道

西武鉄道社員がかなえたい

あれもこれもストーリー

Vol.8 「もっと暮らしやすい街へ。もっと快適な駅へ。
所沢駅パワーアップの裏側」

2020年9月、所沢駅が生まれ変わりました。「あたたかみのある空間」をコンセプトにした新改札やパウダールーム、屋外デッキなどの新たな駅設備の運用が開始されるとともに、駅直結の商業施設『グランエミオ所沢』第Ⅱ期もグランドオープン。すでに多くのお客さまに新たな所沢の顔として愛されています。


今回のお話を伺ったのは工務部施設課の佐藤正さん。1994年に入社して以来、20年以上不動産事業や観光事業に関する建築工事に携わった経験を活かし、パワーアップの立役者のひとりとなりました。約7年もの年月をかけて竣工に至った新たな所沢駅新設備の裏側に迫ります。

今後、ますますの発展が見込まれる「所沢エリア」

2021年には「メットライフドームの改修計画」、「西武園ゆうえんちリニューアル」が完了予定であり、所沢駅西口では、広域集客型の商業施設を核とした大規模開発を2020年代半ばの開業に向け推進中です。そのほかグループ外の動きとしても、文化複合施設や住宅など多くの開発が進行中です。ぜひ、ご期待ください。

  • グランエミオ所沢第二期開業および新改札等の新たな駅設備の供用開始について
  • グランエミオ所沢について
01

新築もリニューアルも!

建築のプロフェッショナル

―佐藤さんの現在の業務内容を教えてください。

佐藤「現在は鉄道事業の建物において、建築工事に関する計画、調整、行政との事前協議や調査、建物の保守管理計画などを主に担当しております」

―これまでにどのようなお仕事をされてこられたのですか?

佐藤「不動産事業や観光事業において、建物の建築工事に約20年携わってきました。手掛けてきたものは、たとえば、駅ナカ店舗の『エミオ』化改修工事や高架下店舗の新築工事、『ペペ』などの商業施設のリニューアル工事などです。なかでも、基本計画の段階から営業開始までずっと担当として関わることができた『西武秩父駅前温泉 祭の湯』にはとても思い入れがあり、いまでも個人的によく足を運んでいます」

02

ひとくちに“建築”といえど

鉄道施設はちょっと特別

―『祭の湯』は観光でいらっしゃるお客さまだけでなく地域の方々にも愛されている施設ですね。

佐藤「そうですね。地域の皆さまにも応援していただきました。地元説明会というと、近隣住民の方々から騒音についてなど厳しいご意見をいただくこともあるのですが、このときは「早くオープンさせてください」「楽しみにしています」という前向きなお声をたくさんいただき、とてもありがたかったですね。地域の方々あってこその成功でしたし、また『祭の湯』オープンによって街も少し変わったかな、と思っています」

―今回の所沢駅で、久しぶりに駅施設の建築を担当されたとのことですが、いかがでしたか?

佐藤「今回は最初からの参加ではなく2018年ごろから途中参加の形で着任したのですが、正直、自分に務まるのか不安な部分も多々ありました。というのも、鉄道事業に慣れていないうえに、駅施設に関する知識も少なく……。また、鉄道建築物というのはかなり特殊で、電車を運行させながらの工事になるので、終電後から始発前までの限られた時間しかできない仕事が多く、必然的に時間もかかります。そういう意味でもいままでとは全然違いましたね」

03

7年の月日と想いを

まとめ上げていく

―やはり大変なことも多かったのでしょうか?

佐藤「2013年の橋上駅舎竣工の頃から基本計画に入り、約7年かけてやっと竣工となったので、まずそこに至るまでに関わった皆さまの想いを理解し、それを現実に反映していくのが難しかったです。設計図ひとつとってもいろいろな人の想いが詰まっていて、時代の潮流や当時の考え方などを理解してからでないと判断できないことも多かったので……。また、駅施設と商業施設が融合した建物ということもあり、さまざまなことが手探り状態でした」

―特に苦労されたポイントなどはございますか?

佐藤「実は社内説明や社内の各部署との調整が一番苦労した点かもしれません(笑)。社内のどこの部署がどんな内容を担当しているのかを把握するところからのスタートだったので……。また、一緒に作り上げたグループ企業である西武プロパティーズや商業施設に入るテナントさまなど、それぞれ視点や考え方が違う大勢の人々とやり取りし、皆さんの意見を尊重してまとめていくことは、自分の動き方もわからない状況ではかなりハードルが高く思えましたね。同僚にも助けてもらい、実際に相手と話をしてひたすらコミュニケーションをとり、ひとつひとつを解決していくよう努めました」

04

あたたかみのある

空間づくり

―そんななか、どのようなコンセプトで工事を進められたのですか?

佐藤「 “安全・安心”を最優先にしたうえで重視したのは、お客さまが快適に利用できる環境を整えることです。“あたたかみのある空間”というのが新改札のコンセプトだったので、照明に駅では通常は使用しない暖色の照明を採用してもらったり、木調の素材を使用したりなど、落ち着きを感じられる空間づくりをデザイン面で演出しました。とくに『とことこひろば』は、あたたかみのある木調格子に角度をつけて南からの強い日差しを調整し、柔らかい光が入ってくるように工夫しました。また、お子さまづれでも安心な授乳室の設置や、メイク直しや気分転換にピッタリなパウダールームを設置したりなど、こだわりが詰まっています」

―目玉でもある「とことこひろば」ですが、どのような想いで作られたのですか?

佐藤「この場所は実は、女性専用ラウンジに、と当初考えられていたのです。しかし、もっといろいろな方々にいろいろな形で使っていただけるように、また所沢駅はお子さまづれのお客さまも多いので、名前のとおり、とことこ歩く小さなお子さまや伝い歩きの赤ちゃん、そして保護者の方々も安心して過ごせるような優しいデザインの待合スペースをイメージして作りました。各担当部署の協力をいただき、ほぼ提案通りの内容が実現できてうれしかったですね。私も休日に子どもをつれて行くこともあるのですが、心地よい空間を提供することができたかな、と思っています。」

メイク直しや気分転換にピッタリなパウダールーム

授乳室やおむつ替えスペースも完備

05

電車を一望できる

大パノラマの展望デッキ

―もうひとつの目玉・展望デッキはどんなところが魅力ですか?

佐藤「新宿線の上を池袋線がまたいでクロスするロケーションはぜひ見てほしいですね。また、複雑な動きをする分岐器や架線を支える鉄骨の部材など、通常なかなか近くで見られないものも目にすることができますので、お子さまにも喜んでもらえると思います。『とことこひろば』もそうですが『001系ラビュー』を見ているご家族連れなんかもよくお見かけしますね。明るく開放的な場所なので、ボーっと考えごとをしたり、肩の力を抜きたいときにリラックスしに来たり……という使い方もおすすめです」

―ほかにもこだわった設備や箇所などはありますか?

佐藤「『旅客トイレ』にも工夫をこらしましたね。多くのお客さまが利用されるトイレは、入口から中が見えにくいレイアウトが第一になります。簡単に解決するには壁を立ててしまえばいいのですが、そうすると出入りする人がお互い見えなくてぶつかってしまうこともありますよね。ですので、『とことこひろば』と同じコンセプトで、あたたかみのある木調格子の角度を変えて取り付けることで、外からトイレの中は見えないがトイレから出てくる人は見える、というつくりになっています。どんな施設も自分がどう感じるか、どう伝わるかということを考えながら作りました」

電車を一望できる大パノラマの展望デッキ

木彫格子を使用したこだわりの旅客トイレ

06

鉄道施設と商業施設を

見事に融合させる

―それぞれの施設の魅力をお話しいただきましたが、駅全体でいうとどんなところに注力されましたか?

佐藤「私の着任時にはもう大まかなレイアウトは決まっていたのですが、やはり動線は意識しますよね。安全・安心はもちろん、居心地にも関わってきますから。新改札や自由通路が新設されてお客さまの流れが分散し、より快適で安全にご利用いただけるようになったと思います。また、テナントさまにも売り上げを伸ばしてほしいですから、そういったところも考えました。そういう、“駅施設と商業施設の融合”という点に一番力を注ぎました。お客さまから見れば直結した一つの大きな施設ですので、そこにちぐはぐさが出ないように気をつけました」

―“融合”というのがキーワードですね。

佐藤「そうですね。これまで、駅施設と商業施設は明確に線引きがあるのが普通でしたが。それらを融合する、というのが私の役割、使命だと思っていました。施設としてもそうですし、協働した西武プロパティーズや『グランエミオ所沢』とともに手掛けてくださったデザイナー、計画開始から今日まで携わってきた方々、また何よりも様々な厳しい条件の中で安全を重視して工事を行っていただく施工会社の方々……“皆さんの想いを融合する”ということも念頭に置いていました。そして『グランエミオ所沢』のコンセプトである、“所沢の都会的なイメージと田園イメージの融合”というのも重要な軸となっていましたね」

商業施設直結の新改札

広々とした改札内

07

“街の顔”としての

駅施設の役割を考える

―ご自身にとって今回のご担当はどのようなチャレンジとなりましたか?

佐藤「大きなプロジェクトだったので勉強になることが多かったですね。着任当初は右も左もわからない状況でしたし、もともと動いているなかに自分が入っていったのでなじむまでも大変でしたが、そういったプレッシャーのなかでも今までの経験を活かしてひとつのものを完成させる、という挑戦でもありました。出来上がった達成感も非常に大きなものでした。また、これまで手掛けてきたのは既存商業施設内の改修等が多かったのですが、駅施設は“街の顔”とも言えます。その建築物に関わることができたのは、とても大きな経験でしたね」

―さまざまなご経験のなかで得たもの、想いがあれば教えてください。

佐藤「鉄道業界にいると、 どうしても“駅施設”だけで視点が完結しがちです。しかしその駅施設は街の顔であり、鉄道はそれらを結ぶもの。駅施設という点だけではなくそこを行き来する線、点を中心にした周囲の面……と、所沢エリアという大きなイメージで今後も業務にあたっていきたいと思うようになりました。また、鉄道事業は安全・安心だけを守っていればよいというような時代もありましたが、ここ数年でどれだけ付加価値をつけられるかという観点になってきているように感じます。そんな流れのなかでも地域の皆さまに愛され「いい路線だね」と言ってもらえるような仕事がしたいですね」

08

駅施設の充実が

街全体の付加価値を上げる

―今後かなえたい目標や夢はありますか?

佐藤「“街の顔”である駅施設が充実すると街全体のイメージアップにもなると思うので、所沢エリア、西武線沿線が盛り上がっていること、住みやすいところだということを広く知っていただき、ゆくゆくは沿線外からもお客さまを誘致できるような駅施設、住みたい駅ランキングの上位にランクインするような沿線の街づくりをしていきたいです。今後開発予定の西口地域だけでなく、所沢の街全体の価値があがるように期待しています」

―新しくなった所沢駅を利用される皆さまにメッセージをお願いします。

佐藤「今回のリニューアルの完成で所沢駅に付随する商業施設が充実し、改札内外の流れもとてもスムーズになりました。ひと休みできるカフェやショッピング、休憩もお化粧直しもおむつ替えもできる『とことこひろば』、大パノラマがひろがる展望デッキ……など、お客さまの駅施設での過ごし方にもいろいろな選択肢ができたと思います。 “街の顔”として、周辺に住んでいるお客さまが誇りを持てるような駅づくりをしていきますので、パワーアップした所沢駅エリアにぜひお越しください!」

佐藤 正

Vol.8 Profile

佐藤 正(サトウ タダシ)

工務部施設課
1994年 入社

※所属等は、取材当時のものです。

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