あれも、これも、かなう。西武鉄道
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西武鉄道

西武鉄道社員がかなえたい

あれもこれもストーリー

Vol.10 「“古き良き時代”を再現!
西武園ゆうえんちリニューアル」

1950年の開園から昭和・平成・令和と時代を超えて愛されてきた西武園ゆうえんち。
「心あたたまる幸福感に包まれる世界」をコンセプトに、2021年春、グランドオープンしました。2017年から計画を進め、約100億円をかけての大規模プロジェクトとなった今回のリニューアルには、オープンまでにさまざまなドラマがありました。
今回はプロジェクトの担当者である沿線事業企画部 事業企画室 沿線価値創造担当の竹田昇平さんにインタビュー。当時入社3年目でありながら、ミクロな視点とマクロなビジョンが必要とされる今回のビックプロジェクトへの大抜擢に応えた竹田さん。今回の西武園ゆうえんちのリニューアルオープンはある意味“原点回帰”だといいます。その真意とは……?

TM & ©︎ TOHO CO., LTD. ©Tezuka Productions

新しい「西武園ゆうえんち」、
昭和の熱気を遊びつくそう!

1950年の開園から昭和・平成・令和と時代を超えて愛されてきた西武園ゆうえんち。
「心あたたまる幸福感に包まれる世界」をコンセプトに、2021年5月19日、グランドオープンしました。新しい西武園ゆうえんちが織りなすニューノスタルジーな世界で、心あたたまる体験と新たな感動をぜひ体験してください。


01

西武線沿線を

“選ばれる場所”“訪れたい場所”へ

―竹田さんの現在の業務内容を教えてください。

竹田「入社して3年目で、西武園ゆうえんちリニューアルプロジェクトに携わり、現在は別部署にて西武線沿線全体を活性化させるべく、西武線沿線にお住まいのお客さまや西武線をご利用のお客さま、またこれまで西武線をご利用されていなかったお客さまにとって西武線の沿線や駅を“選ばれる場所”“訪れたい場所”に変えていけるよう、大小さまざまな事業に取り組んでいます」

―これまでで思い入れのある業務はありますか?

竹田「入社してから3年間は工務部建設事務所に所属しており、駅舎や現業職場の改良工事やリニューアル工事、修繕工事など、設計施工の監理業務を行っていました。なかでも特に印象に残っているのは飯能駅のリニューアル工事※です。いままでの駅リニューアル工事とはまったく違ったアプローチで、フィンランドの世界観を演出するために装飾していくのがとても新鮮でした。素材となる木材を東北まで見に行くなど、主担当の方の“こだわり”と、それを実現させるための熱意を間近で見ることができ、とても勉強になりました」

02

統括的ポジションで

プロジェクトを牽引する

―西武園ゆうえんちリニューアルにはどのように携わったのですか?

竹田「プロジェクトリーダーとして、プロジェクト全体の計画・設計・工事を担当しました。具体的には、目指す世界観の実現に向けてベンダーや諸官庁との打合せや商店街・映画館などパーク全体の設計および施工の監理、また、パーク開発に関係するスケジュールやコスト、タスクの管理などです。プロジェクト自体は2017年に始まったので、私は2019年から途中参加する形になりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、スケジュールも非常にタイトなうえに初めての取り組みばかりだったので、当初は不安もありましたがどんな想いでいても結局やるべきことは変わらないので『やるしかないんだ』と覚悟を決めて良いものを創れるよう奮起しました」

―コンセプトの「心あたたまる幸福感に包まれる世界」に至った経緯を教えてください。

竹田「『心あたたまる幸福感に包まれる世界』。これが西武鉄道と、協業した株式会社刀※さんとの間で検討し、決定したコンセプトです。あらゆる情報やモノが簡単に手に入り、きわめて便利である反面、プライベートもSNS にさらされるなど心休まるときがなく、人間関係も希薄化している現代社会。このような時代だからこそ、日本人が昔からずっと大切にしてきた“人と人との情緒的なつながり”や、誰もが優しく無条件に受け入れてもらえるという安心感にあふれ、心が満たされる場所を創りたいという想いから生まれました。人と人とがあたたかいつながりを持っていた時代、というとやはり“昭和”、特に昭和30年代が連想されます。私は途中からのプロジェクト参加ですし、リアルな昭和の時代も知りませんが、ある意味、このコンセプトは日本人の“原点回帰”なのだとも思います」

実際に商品を購入できる洋品店

昭和を連想する1シーン

03

今の世代にとっては新しい!

昭和世代には懐かしい体験を!

―コンセプトを具現化するために工夫されたことはありますか?

竹田「私は平成生まれであり今回実現しようとしている世界観が実感としてわからず、当初はコンセプトを咀嚼するのに精いっぱい、というのが正直なところでした。しかし『ALWAYS 三丁目の夕日』を観ると、当時を知らないはずなのになぜか懐かしさを感じるのです。それはなぜだろう? と、その深層心理について勉強し、平成以降に生まれた人たちにもそのノスタルジーを感じてもらえるよう、昭和の活気あふれるイメージを、建物などのハードの部分だけでなく飲食物やショーなどでも表現しました。看板やパネル、ディスプレイなどのデザインも、実寸大のものをまずつくってみて、当時を知る人に見てもらい、検証に基づいて決定していきましたね。昭和を知らない平成・令和世代の方にとっては“新しい”と、昭和世代の方には“懐かしい”と思っていただける、『心あたたまる幸福感に包まれる世界』を再現できたと思っています」

―業務のなかで苦労された点や気を付けていたことなどがあれば教えてください。

竹田「限られた予算やスケジュール、そして法規上の制約のなかでコンセプトデザインを実現していくのは本当に大変でした。ですが、設計者や施工者、デザイナーなど多くの関係者と打合せや検証を重ねることでなんとか実現することができました。また、自分のなかでの昭和のイメージを確立するにあたって当時を知っている方から意見をいただけたのは大変ありがたかったです。また、年上の方々のなかでプロジェクトリーダーをやらせていただくにあたり、目的を円滑に達成するために、業務上の連絡なども“指示”ではなく“お願い”するという姿勢を忘れないよう常に心掛けていました」

世界観を忠実に再現した看板

ディスプレイにも細部までこだわりを

本格料理が味わえる『喫茶ビクトリヤ』

懐かしい大衆食堂をイメージした『食堂 助六屋』

04

まったく社風が異なる2社の協業!

成功のカギは密なコミュニケーション

―株式会社刀さんとの協業で何か感じたことはありますか?

竹田「たとえば、西武鉄道はこれまで作ったものをどう売るか検討していたのに対し、刀さんは消費者心理を分析しマーケットに落とし込み、消費者に売れるものをどう作るか検討していきます。そういったところに、そもそものアプローチの仕方に大きな相違があるのだな、と感じました。私はこれまであまり“外の世界”を見ることがなかったので、とても新鮮でしたね。また弊社は当初、園内での支払いはキャッシュレス化を考えていたところ『西武園通貨』の発行をご提案いただき、社内での協議では出てこないような発想力にも感嘆しました」

―そういった相違点があるなかでの協業を成功させるために、気を付けていたことはありますか?

竹田「お互いの社内スキームを理解しリスクを回避するため、また細かい部分の認識の確認のために、とにかくコミュニケーションを密にとることを心掛けていました。規模の大きな会社はつい“そのプロジェクトを行うこと”が目的になりがちなところもあると思うのですが、そうではなく、マーケティングや戦略・戦術を駆使してそのプロジェクトをいかに成功させるか、またそのための一つひとつの取り組みを徹底的にこだわり抜くことがどれだけ大切かということを学びました。強みの異なる2社の協業でしたが、相互理解を深めることにより切磋琢磨してやっていくことができたと思います」

「ジャングル大帝」イラストの『西武園通貨』 ©︎Tezuka Productions

園内でのお買物は『西武園通貨』がマストアイテム!

05

感染症に負けない!

『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』ができるまで

TM & ©︎ TOHO CO., LTD.

―プロジェクトの進行中に新型コロナウイルス感染症が流行しましたが……。

竹田「正直なところ、当初はすぐに収束するだろう、と思っていた部分もありました。しかしなかなかそうはならず不安が大きかったです。。また何百人もの職人さんに施工をお願いしているわけですから、感染予防や感染拡大防止に関しても先を見越してリスク管理を徹底してきました」

―やはり大きな影響があったのでしょうか?

竹田「そうですね。海外とのやり取りには影響が大きかったです。なかでも特に大きかったのが『ゴジラ・ザ・ライド』です。材料を海外から取り寄せる際に、その納期が遅れて工事の日程を再調整したり、ソフトの面でお世話になった海外の会社の方の来日の際には、海外からの入国制限がかかる直前だったので予定より早く入国していただいたり……。そういったことによりコストも変わってくるので、決められた予算内でのやりくりは通常以上に大変でした。また、これは新型コロナウイルス感染症とは別の話ですが、埠頭に運ばれてきた資材を見に行ったらお願いしていたものと違うものが送られてきていた、なんてこともありましたね。返品し再度注文するスケジュール的な余裕もなかったので、そのときは設計を変更してなんとか対応しましたね(笑)コスト面やスケジュール面で数々の苦労がありましたが、関係者の方々から多大なるご協力をいただいたおかげで難局を乗り越えることができ、『ゴジラ・ザ・ライド』はアトラクションとして最高のクオリティが出せたのではないかと思います」

トラブルにも負けずつくりこまれた『夕陽館』

気分をさらに盛り上げる『ゴジラ・ザ・ライド』の号外

06

こんな時代だからこそ

人と人のつながりや人情を大切に

―このような状況下でのオープンについて、率直な想いをお聞かせください。

竹田「オープンできたことについて、まずは『よかったな』とひと安心しています。同時に、お客さまをいかに楽しませるか、これから背負っていくものは大きいな、とも思いますが……。三密の回避やリモートワークの浸透など、人と人との接点が少なくなっているいまだからこそ、感染予防対策を徹底したうえで、人と人のつながりや人情のあたたかさを、新しくなった西武園ゆうえんちで感じていただけたらうれしいです。また、そういった意味では今回のプロジェクトは大きな社会的意義もあるのでは、とも思います」

―新しくなった西武園ゆうえんちの見どころはどんなところですか?

竹田「これまで複数あったエントランスを1ヵ所に統合したことにより、ご来場されたお客さまが必ず『夕日の丘商店街』を通ってアトラクションに向かわれる導線になりました。入場されてすぐ今回リニューアルした世界にひたっていただくことで、これまでただ“古い”と思われていた既存のアトラクションもノスタルジーのフィルターを通して見ていただき “懐かしい”というポジティブなイメージに捉えていただけるようになったと思います。その非日常感を味わってあの頃の活気と元気を取り戻し、ご来場中だけでも日常を忘れて楽しんでいただけたらと思います」

夕日の丘商店街

“懐かしさ”を感じるアトラクション

07

お客さまだけでなく

スタッフの声も大切に

―今回、多岐に渡る業務を遂行されましたが、一貫して大切にされていたことは何ですか?

竹田「“ユーザー目線”という視点です。もちろんマーケティングを考える際やご来場されるお客さまに対してもしかりですが、今回リニューアルした建築物などを多く使うのは現場のフレンズクルー(スタッフ)の方々。実際にお客さまと接するのもフレンズクルーです。カバーしきれていない面もあると思うのですが、なるべくフレンズクルーの意見を汲み、いかに気持ちよく働いていただけるかを模索しました。現場の方から『リニューアルして良くなったね』『より働きやすくなったよ』と言われるのは本当にうれしいです」

―今回の経験で得たもの、感じたことがあれば教えてください。

竹田「社内外問わず多くの関係者の方々と『魅力ある新たな西武園ゆうえんちを創る』という同じ目標を持って仕事をできたのがとても楽しかったです。とくに刀さんとの協業では、自分を信じて前を向いて進んでいくことの大切さを教えてもらったように思います。また、これはこのプロジェクト以前からそうなのですが、私は『伝統のある会社のなかで、いままでそれを守ってきた人たちにどれだけ食い込めるか』を考えて仕事をしていますので、“新しく”“古い時代を再現する”という今回のプロジェクトにはとてもやりがいを感じました」

フレンズクルーも感染症対策を徹底

突然始まる商店街の住人によるエンターテイメントショー

08

激変の時代にも変わらぬ目標は

沿線の価値向上と会社の発展

―今後かなえたい目標や夢はありますか?

竹田「技術者として、またマネジメントの面でも日々勉強を続け、成長して仕事の精度を上げていきたいです。そして資格試験などにもどんどん挑戦し、ゆくゆくは西武グループ全体の開発事業に携わっていきたいというのが入社以来ずっと抱いている目標です。コロナの収束、そしてアフターコロナがどうなるかは未知数ですが、あまり外出しなくても生活できるような社会の在り方になってきているなかで、鉄道会社として、遊園地として、今後も多くの方に支持していただけるようリアルだからこその価値を追求し、感動を生み出していけたらと思います」

―西武園ゆうえんち、西武鉄道を利用されるお客さまにメッセージをお願いします

竹田「生まれ変わった西武園ゆうえんちは、懐かしい街並みを圧倒的なクオリティで再現しており、おせっかいなほど懐っこい当時の人々とのふれあいや懐かしの食体験、人情味あふれるライブパフォーマンスなど、まるで昭和にタイムスリップしたかのような感覚を五感で味わうことができます。新しいアトラクションも世界観に没頭できると大好評です。このような社会情勢のなかですが、引き続き生活に感動を与えられるよう努めて参りますので、ぜひ西武線に乗ってリニューアルした西武園ゆうえんちにお越しいただき、ここでしか味わえない幸福感を堪能してください!」

竹田 昇平

Vol.10 Profile

竹田 昇平(タケダ ショウヘイ)

沿線事業企画部事業企画室
2016年 入社

※所属等は、取材当時のものです。

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