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武蔵大学 「きじキジ」を逆取材!編集への思いと江古田の街【前編】

江古田駅名物のチャーミングなピアノを横目に、改札を抜けて南口へ。駅前には飲食店や喫茶店など、ほどよく賑やかでどこか懐かしく感じられる街並みが広がっている。ここ南口方面に位置するのが、江古田にある3大学のうちの1つ、武蔵大学だ。
武蔵大学には、キャンパスライフや学内イベント、江古田のタウン情報など、さまざまな魅力を独自の切り口と視点で発信するメディアがある。それが「Musashi Web Magazine きじキジ」だ。

そこで今回は、普段は大学や街を取材する立場の「きじキジ」編集部員を江古田キャンバスプロジェクトが逆取材することに。2年生のシロトさんと、同じく2年生のヤマダさんに、「きじキジ」や江古田の街についてお話をうかがった。その様子を前後編2回に分けてお届けする。

後編はこちら→

シロトさん(左)とヤマダさん(右)

Q.「きじキジ」とは何ですか?

ヤマダさん:「きじキジ」は、受験生や学生、地域の方々を対象にした、学生の企画・編集によるWebマガジンです。そのネーミングは、武蔵大学の校章のモチーフになっている雉とWebマガジンで発信していく記事をかけて名付けられました。本来はWebマガジンのタイトルとして名付けられたものですが、今では編集部の呼び名や活動全般の呼び名としても用いられています。

Q.どのような編集方針で活動しているのですか?

シロトさん:「きじキジ」は『知ってしまえば、好きになる』をコンセプトに活動しています。私たち学生によって構成された編集部が、武蔵大生独自の視点で、武蔵大学やキャンパスのある江古田にまつわるさまざまな情報を、学生ならではのユニークな発想と行動力で、自由に発信していくことをモットーにしています。

「きじキジ」にはさまざまなカテゴリーの記事が随時アップされている。

Q.企画や編集を行う上で大切にしていることはなんですか?

シロトさん:『知ってしまえば、好きになる』というコンセプトなので、読者には記事を通じて、武蔵大学や江古田の街を好きになってもらえることを目標にやっています。そのために、気になるテーマがあれば、地元学生として一歩踏み混んだ情報を発信できるよう心がけています。

ヤマダさん:私は、読者に武蔵大学や江古田の街を好きになってもらうために、“まずは私自身が好きになる!”ことを意識しています。大学のこと、街のグルメのことなど、常にアンテナを張り、何事にも興味を持つようにしています。

Q.読者としてはどのような方を対象にしていますか?

シロトさん:まずは大学進学を控えている受験生や高校生をメインに考えています。あとは江古田や近隣にお住まいの地元の方にも見てもらえればと思っています。さらに、武蔵大生の読者も今後どんどん増やしていきたいですね。

Q.現在の「きじキジ」編集部の人数は?

ヤマダさん:「きじキジ」は2013年頃から活動をスタートしたのですが、現在は3年生3名、2年生5名、1年生4名の計12名で活動しています。

Q.二人が入部を決めた理由は?

シロトさん:私は大学に入学したら色々と挑戦したいと思っていました。昔から人前に出ることや自分から何かを発信することが苦手なタイプだったのですが、「きじキジ」のことを知り、その活動をきっかけに新たな一歩が踏み出せるんじゃないかと感じて入部を決めました。

ヤマダさん:毎日のように江古田に通うようになり、そこでたくさんの魅力に触れる中で、「このことを多くの人に伝えていきたい!」「好きになってもらいたい!」と思うようになったんです。また、取材や記事を通して、私自身も「もっと江古田の街や人と繋がっていきたい!」「仲良くなっていきたい!」という思いから入部することにしました。

Q.今後どんな人が入部してくれると嬉しい?

シロトさん:今の編集部には落ち着いた人が多いので、「とにかく即行動!」みたいな方が入ってくればいいですね。記事の幅も編集部の雰囲気も良い意味で変化するんじゃないかと思います。

ヤマダさん:ツッコミが上手い人がいいです!記事に色々とツッコミを入れてもらえれば、その分面白い記事に仕上がりそうな気がしています。

Q.どのような流れで編集や記事執筆をしているのですか?

シロトさん:週に一回、編集部全体の会議を行っています。ここでは進捗報告や企画、記事のテーマを議論・検討しています。記事やテーマが決まれば、各自で取材し、記事化して、ページを更新していきます。みんな学業との両立なので、日々忙しくやっていますね。特に記事更新の締め切り直前はとても慌ただしくて…

「きじキジ」編集部の部室。ここで編集会議や記事の執筆、ブレスト(たまにおしゃべり)などが行われている。

Q.今年の活動で特に力を入れていることはありますか?

シロトさん:昨年は「記事数を増やす」という目標を立て、その結果、週一回程度の更新を継続でき、30記事ほど公開することができました。今年はさらに記事の質にもこだわっていこうとみんなで頑張っています。

Q.具体的にはどのような記事を発信していきたいですか?

シロトさん:丁寧な取材や入念な段取りによって、今まで以上に情報を掘り下げ、内容の濃い記事を届けられればと思っています。また、地域に密着した記事も増やしていきたいですね。

ヤマダさん:今は自分が興味関心のあるテーマを中心に、取材や執筆をしているのですが、今後は編集部がもっと一体となってフォローし合い、より多くの読者に楽しく読んでいただける記事や企画を発信していきたいです。

部室近くの階段の風景。晴れていれば窓から陽射しが差し込み、優しい光に満たされる場所。

Q.記事への反応はいかがですか?

ヤマダさん:「こんないいところがあったんだ!」とか「ここ行ってみたい!」などの感想をいただけることも増え、徐々に読者は増えてきていると感じています。池袋のような大きな街だと、日頃からさまざまな情報が発信されているけれど、江古田にはみんながまだ知らないトピックやニュースがたくさんあります。これからもそのような魅力的なローカル情報や日々の生活に役立つ情報を発信していきたいです。

さまざまな部活の部室がある10号館。打ちっぱなしのコンクリートとレンガ調タイルが特徴のモダンな校舎。

Q. これまでの「きじキジ」の活動で印象に残っていることは?

ヤマダさん:初めて取材に行った時のことですね。スペイン料理のお店だったのですが、英語を使って必死で取材をして…。すごく緊張したけれど、今までの人生にはない貴重な経験でした。もっと腕をあげて良い情報を引き出せるように、これまでの取材経験を活かしながら成長していきたいですね。

シロトさん:「きじキジ」で新入生を対象にしたアンケートを実施した際、なかなか思うように情報が集まらず、人の意見を集めるのはとても大変だと実感しました。もっと学生や関係者を巻き込んでいけるような、魅力的な企画や編集の仕組みを考えて、大学や街を盛り上げていきたい!と強く感じました。それができるのも「きじキジ」編集の醍醐味だと思っています。

3号館中庭では学生たちが思い思いの時間を過ごす。新緑や紅葉の時季の大ケヤキは特に壮観。

Q.評判だった記事はなんですか?

ヤマダさん:江古田のコーヒー屋めぐりの記事ですね。3店を取材し、そのレビューを行いました。とても人気で、アクセス数もすごかったです。私たちもびっくりの反応で、嬉しかったですね。

Q.今後取り上げてみたいテーマや記事はありますか?

ヤマダさん:今までは読んで楽しい、知って楽しい記事を多く発信してきましたが、今後は武蔵大生が読んでためになる記事をお届けしたいと思っています。例えば学業のサポートになる情報であったり、学生生活に役立つ情報であったり…。

シロトさん:私は武蔵大学の現状を内外の皆さんに知ってもらえるような記事を書きたいですね。今まで学内の団体や代表者への取材を記事化したことはありますが、一学生に密着した記事などはまだないので。武蔵大学の今をリアルに感じていただける記事で、武蔵大学のファンを増やすことができればと考えています。

Q.編集部での取り組みを通して学んだことは?

シロトさん:書いた記事を他の部員にチェックしてもらうことがよくあるのですが、自分では気づかなかった部分を客観的に見てもらえてとても参考になりますね。第三者の意見があってこそいい記事ができあがると学びましたし、常に広い視野と考え方、捉え方でいることを意識するようになりました。

ヤマダさん:記事を見て、実際にその店や場所に足を運んでもらえたり、興味を持ってもらえたり。そのようなさまざまな反響を見ると、記事に込めた熱意や思いはしっかりと伝わるんだということ学びました。取材や編集の作業は時に大変ですが、「次はもっと良い記事を書くぞ!」と励みになりますね。

Q. 編集部で得したことは?

シロトさん:自分が記事にしたことをきっかけに、読者とつながれたり、共感できることが嬉しいですね。学生生活の中だけでは、得られない経験やつながり、出会いがあるのも編集部に入ったからこそだと感じています。

ヤマダさん:取材を通じて、誰よりも先に大学や街の魅力に触れられるので「得してるな〜」って思います。正直に言えば、誰にも教えたくないくらい素敵なお店や耳寄りな情報も多いんですよ(笑)。

Q.「きじキジ」の活動を通じてお二人に変化はありましたか?

ヤマダさん:自分で調べて、自分で考える編集の作業によって、柔軟な思考や物事の捉え方が養えているように思います。これからも自分の長所として伸ばしていきたいですね。

シロトさん:編集部に入って、自分の考えを発信すること、自らの意志で踏み出していくことがとても大切なんだと実感しています。卒業後もきっと役に立つことだと思いますので、さらに磨いていこうと思います。

「きじキジ」について、常に笑顔で明るく話してくれるシロトさんとヤマダさん。その様子からは活動の楽しさとやりがい、そして彼女たち自身の充実ぶりが端々に感じられた。
後編では、「きじキジ」編集部の活動拠点となる江古田の街について聞いてみた。

後編へ続く

記事を書いた人

江古田キャンバスプロジェクト事務局