issue
西武鉄道池袋線の江古田駅から徒歩2分。江古田の夜に欠かせないお店があります。
「江古田コンパ」。足繁く通う学生もいれば、全く縁のない江古田住民もいる、目立つのになぜかその正体はベールに包まれた謎の店…。今回、江古田キャンバスプロジェクトのメンバー有志がお店を訪問、名物カクテルをいただきつつ、たっぷりと取材をしてきました。それぞれのレポートをぜひご覧ください!
江古田駅南口の踏切近く、アーチ状に光る照明のエントランスをくぐり、急な階段を上って扉を開けば江古田コンパの夜が始まる。緩やかにカーブを描くカウンターは恐ろしく座り心地が良い。ベートーヴェンをBGMに繰り広げられる長島ママの下ネタ。その対岸のカウンターで淡々とコミュニュケーション術を説くバーテンダー原さん。デヴィッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』にも通じる非日常感と、不思議な居心地の良さの同居。急な階段を下り、江古田駅南口の路上に出れば、あっという間に現実に引き戻され、江古田コンパでの時間は自分の妄想だったような気もしてくる。その正体を確かめたくて、またあの階段を上ってしまうだろう。
いただいたマッチが、コンパでの夜が夢でなかったんだと教えてくれるのですが、逆に夢感が増している気も…帽子に書かれた「33」が気になります。
江古田コンパは、単なるお酒が飲める風情溢れる場ではありません。嬉しいことにバーテンダーの立場になってオリジナルのカクテルを作ることができるのです。滅多にできないことなので挑戦してみると、まず驚かされたのが作ることができるカクテルのレパートリーの豊富さでした。カシス、レモンの果実系から生姜、生クリームなど変り種まで。この組合せに悩んでる時間がとても楽しかったです。組合せを決めたら、次はシェークです。初めてながらも、やり方を教わりながら不器用にシェーカーを振ります。精一杯作り上げたカクテルは、ひんやり甘口でとても好みの味になりました。お酒の種類の多さ、ここでしか味わえない雰囲気はクセになります。皆さんも訪れた際には是非カクテル体験してみてください!
バーテンダーの原さん自ら内装された店内は当時のままで時が止まっているようなレトロ感。キッチンのタイルなんかが可愛くてグッとくる。様々なオリジナルカクテルを飲みましたが、最も印象深かった一杯が「ニコラシカ」。リキュールグラスの上に丁寧に皮が剥かれスライスされたレモンと半円に型どられた砂糖がブランデーに蓋をするようなかたちで登場。「これはまだ完成じゃないのよ~」と笑う名物ママ・長島さんのレクチャーの元、いざニコラシカに挑む。まずレモンと砂糖を噛みしめる。20回ほど噛むとレモンの酸っぱさと砂糖の甘さが合わさりいい感じにねっとりとしてくる。そしてブランデーを一気に口に含みゆっくりと飲む。口の中で全てが合わさった瞬間に初めて完成するスタイルのニコラシカ。ブランデーを口に含んだ瞬間、ゆっくりと飲み込む瞬間、全て飲み込み口から無くなる瞬間、都度味わいが変化する不思議なカクテル。とても貴重な体験でした。
練馬区立江古田駅自転車駐輪場3階より眺めた「日本大学芸術学部」
正直、越してきてから7か月、その存在を全く知りませんでした。事前情報ナシ、耳だけで得た印象は「キャラが濃い」。下戸の私は「パインソーダ」と「カレーポップコーン」を。映画館なコンビながら、ありそうでない「パイン」、マスター特製カレーフレーバーは止まらないうまさ。ママの「お金のない若い子も楽しめるホテルのバーでのオーダー方法」なんてお話はそもそも行ったことないビギナーにも嬉しい。想像に反して、ここは私には真っ当な「大人の社交場」でありました…。つまんねェ!という通は冒頭の写真をどうぞ。ママの伏字トークに頻出する隣のアノ駐輪場ですよ。気になって見に行きました。もちろん夜は「連れ込まれちゃう」から昼間ですけどね…。昼間のこれは見たことないはず!