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いよいよ再始動!江古田について語り合うオンラインオリエンテーションを開催

コロナ禍により大学の授業がリモートになるなどして、江古田に行きたくてもなかなかな行けないという人は多いと思います。江古田キャンバスプロジェクトも、しばし立ち止まらざるを得ない状況が続いていましたが、去る12月14日、再始動の第一歩としてオンラインによるオリエンテーションが開催されました。

今回の参加者は、武蔵大学、武蔵野音楽大学、日本大学芸術学部の学生と日大芸術学部の笠井則幸先生、当プロジェクトを主催する西武鉄道、協賛企業のきらぼし銀行。ファシリテーターをマガジンハウスコロカル編集長の松原亨が務めました。

冒頭、西武鉄道より、江古田キャンバスプロジェクトの目的と、昨年度実施したワークショップの紹介、そしてこれからの取り組みについて説明。きらぼし銀行からは、コロナ禍で学生の方々の足が遠のくなか、江古田の商店街が苦境に立たされていること。学生たちの自由な発想で、江古田のまちや地元の人たちに元気を与えてほしいとメッセージが送られました。

座談会に先立ち、学生や江古田で暮らす人たちにお答えいただいたアンケート結果の発表も行われました。江古田のイメージに当てはまるワードとして最も多かったのは、「学生」で20.0%。ほかにも「芸術」19.5%、「大学」15.0%、「商店街」12.7%、「グルメ」6.4%というワードが続きました。やはり多くの人にとって、学生が集う活気のあるまちという印象が強いようです。

メインプログラムの座談会は、「江古田の好きなところ」と「江古田を元気にするには」というテーマでふたつのチームに分かれ、学生のほか西武鉄道、きらぼし銀行の若手社員も加わって意見交換が行われました。

僕たち私たち、江古田の“ここが”好きだ!

江古田について語り合うオンラインオリエンテーション

江古田の好きなところとして多数あげられたのは、商店街にまつわること。具体的な店名も次々と出てきました。

江古田について語り合うオンラインオリエンテーション

お店の人たちとのコミュニケーションを楽しめるのも、人情味のある商店街の醍醐味と言えるでしょう。

「民家のような佇まいで、通り過ぎてしまいそうになるカフェがあるのですが、店主さんが旅行好きでいろんな旅の話をしてくれます」

「おしゃれなお菓子屋さんやケーキ屋さんが意外と多く、常連さんとのやり取りが温かくていいなと思いました」

「多国籍料理のお店が多く、店員さんがフランクに話しかけてくれるので、珍しい料理だけでなくいろんな国の文化を知ることができます」

「日大の文化祭でパフォーマンスをしたとき、わざわざお店や自宅から出てきてクラッカーを鳴らして、盛り上げてくれた。都会的なイメージだったけれども、温かさを感じました」

どうする江古田? 何ができそう? アイデア続々

江古田について語り合うオンラインオリエンテーション

次のお題は、江古田を元気にするためにはどうすればよいか。駅前や商店街の活性化を課題にしている地域は少なくありませんが、今あがったような江古田の個性と、学生たちの発想力をかけ合わせることで、どんなことが可能になるのでしょう。たとえば、すぐにでもできそうなアイデアだと……。

「今の江古田は焼き鳥屋さんが多いせいか、ちょっと茶色のイメージ(笑)。カラフルさに欠けるので、まちのいろんなところに花を飾って鮮やかにしたい」

まちを彩るという視点で、もうひとつ出てきたのがイルミネーション。

「江古田駅の南口広場を楽器の形のイルミネーションなどで飾って、Instagramなどで発信してもらう」

過去に当プロジェクトの一環で、江古田駅構内に誰でも自由に弾けるピアノを設置して好評を得ましたが、こうした参加型スタイルに着目すると可能性が広がりそうです。

「通っている大学によって、持っているものや洋服の雰囲気が何となく違うので、どこの学生なのか勝手に予想するのが楽しい。たとえば江古田駅のふたつある出口にボードを置き、利用したらシールを貼ってどちらの出口を使う学生が多いか3大学で勝負するなど。通った人がアクションを起こすだけで、イベントになるのがいい」

「車が走ると音が鳴るような道路や、欄干が木琴になっているような橋がありますが、江古田のまち全体を楽器に見立てたらおもしろそう」

「江古田の魅力といえる芸術性の高さをミュージックビデオで表現。真似しやすい振りつけを考えて、商店街の方々や大学の人などにも踊ってもらい広げていけたら」

音楽やデザインなど、学生たちの得意分野や専攻を生かしたアイデアもたくさん出ました。

「江古田駅限定のデザインの記念切符をつくって、江古田のアートなイメージをアピールしたい」

「人によって魅力を感じるところが違うと思うので、切り口の異なるフリーペーパーやマップを複数つくって駅などに設置。選べる楽しさがあるのもいい」

このアイデアにはファシリテーションをしていた、コロカル編集部のメンバーも気づきを得たようです。

「私たちは仕事柄、情報を編集して一冊の冊子という形にまとめようとしがち。確かにいろんな切り口、複数のフリーペーパーがあってもいいかもしれませんね」

さらに活発な意見交換は続きます。

「私にとって江古田は『のだめカンタービレ』のイメージが強いのですが、のだめに続くような江古田が舞台の物語を考えて、それに付随したポスターをつくったり、聖地巡礼を楽しめるような場所にしたい」

「演奏や作品の制作・展示など、場所探しに苦労している学生は多いと思います。学生でも借りやすいスタジオやギャラリーが江古田にもっとできたら、アート活動が盛んになってまちが活気づくのでは」

「ポルトガルで人のアイコンが踊る信号機をつくったところ、信号無視をする人が減った事例があるらしい。江古田でも踏切の待ち時間が苦にならないようなアイデアを考えたらおもしろそうだし、それを見たくてわざわざ来る人も増えそう」

江古田キャンバスプロジェクトの再始動にふさわしく、さまざまなアイデアが飛び出したオリエンテーション。これらの意見を参考に、魅力ある江古田をみなさんとつくっていければと思います。

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記事を書いた人

江古田キャンバスプロジェクト事務局