春夏秋冬。フルーツ狩りの小さな旅。西武秩父春夏秋冬。フルーツ狩りの小さな旅。西武秩父

LOCATION 01秩父だから味わえる!幻の品種「あまりん」との出会い。秩父だから味わえる!幻の品種「あまりん」との出会い。

四季折々のフルーツの宝庫。初夏までいちご狩りができる

たとえば6月下旬から8月中旬には「ブルーベリー」が旬を迎え、8月上旬から10月には「ぶどう」が実ります。ちちぶ山ルビーという秩父でしか味わえないオリジナル品種や人気の巨峰、シャインマスカットなど。また秩父は「りんご」栽培にも適した地です。9月下旬から11月中旬にはシナノスイートやふじ、陽光といったりんごがお目見えし、さらに「かぼす」や「プラム」を扱う農園も。
そんな秩父フルーツのなかでもとりわけ人気なのが「いちご」です。秩父では12月の冬季から桜咲く春、そして6月中旬までという長期間にかけて、美味しいいちごが楽しめます。なかには市場ではなかなかお目にかかることのできない逸品もあります。

お酒とフルーツの組み合わせ、大好きだから

今回、フルーツ王国・秩父を訪れたのは〝フルーツおつまみスト″としてSNSで2.5万人ものフォロワーを誇るモデルのTamamiさん。旬の果物を駆使し、美味しくお酒を飲むためのつまみを自由に創作するスペシャリストであり、フルーツをこよなく愛する食いしん坊です。

季節は春。みずみずしい旬のいちごを求めて、いざ特急ラビューに乗って秩父へ。

LOCATION 02黄色にときめきながら、「フルーツでおつまみ」の話。黄色にときめきながら、「フルーツでおつまみ」の話。

窓が大きくていいなあ。ラビューでプチ旅気分

「私はお酒と果物が大好き。お酒を楽しむときにフルーツをおつまみにしていたのですが、好きが高じてその相性を追求することに。旬のフルーツを買ってきて、その日飲みたいワインに合うように手を加えたり、日本酒に合わせるにはどうするか、といったことを常に考えてアレンジしています」

そう話すTamamiさんが西武線の池袋駅から乗り込んだのは、シルバーグレーの特急列車「ラビュー」。建築家・妹島和世さんの手がけた車両は、ブルーリボン賞(「鉄道友の会」が日本の鉄道車両に対して最優秀車両と認めた車両)を受賞。車内は鮮やかな黄色。体を包み込むソファのようなシートは座り心地がよく、大きな窓が沿線の風景を楽しませてくれます。

窓辺に映る景色をゆったり味わいながら

「いちご狩りに行くだけでもワクワクするのに、こんなに素敵な電車で行けるなんて気分が上がりますね」

Tamamiさんは普段、近所のお店でフルーツを購入することが多いといいます。「でも秩父には地元のスーパーなどでは手に入らないようなオリジナルの品種があるみたいだし、なによりフレッシュな状態でお料理を作ることができるなんて幸せ! ちょっと贅沢で、いつもとは違うワンランク上の楽しみ方だと思います」

1時間も経たないうちに山々に囲まれました。「こんなに近くに豊かな自然が息づいているなんてちょっと驚きかも」。池袋駅から70分あまり、所沢駅からは1時間足らず。あっという間に西武秩父駅に到着しました。

LOCATION 03秩父の街。レトロに魅せられて。秩父の街。レトロに魅せられて。

駅前温泉もある!秩父ってどんな街かな

西武秩父駅に降り立ったTamamiさん。いちご狩りに行く前に、少しだけ秩父の街を散策することに。改札のすぐ横には、秩父名物〝祭り″をコンセプトにした複合型温泉施設『西武秩父駅前温泉 祭の湯』があります。秩父のおいしいモノが堪能できるフードコートから、地酒や特産品を扱うショップ、そして露天風呂から岩盤浴まで楽しめる温泉があります。

秩父神社は駅から歩いて15分ほどのところに位置し、神社へと続く参道でさまざまな商店が並ぶ「番場通り」までは、駅から徒歩5分ほど。そこには、どこかタイムスリップしたような昔ながらのレトロな街並みが残っています。

インスタ映えしそうな古い建物があちこちに

現在は営業していないものの昭和感漂う『小池煙草店』(国登録有形文化財)、時間が止まったような感覚をおぼえる『珈琲道 ぢろばた』。そして『パリー食堂』(国登録有形文化財)。店前に並ぶ料理サンプルの懐かしいことといったら! オムライスやカツカレー、ラーメン、丼物など、ジャンルを問わぬラインアップもたまらない。古き良き大衆食堂の雰囲気に、Tamamiさんも写真をパシャリ。

LOCATION 04懐かしい味。おつまみの参考に?懐かしい味。おつまみの参考に?

おみやげにしたい!パッケージまで可愛い

立ち寄ったのは和菓子舗『ひともと 清月』。ずっしり大きな酒まんじゅうに、可愛いパッケージの秩父名物のようかん「山の幸」(柿、栗、おぐらの3種あり)、秩父のシンボルである武甲山の名を冠した饅頭などさまざまな菓子が並びます。

酒まんじゅうを頬張ると、皮からはほのかなお酒の香り。中には粒あんがずっしりと入っています。「あんは濃厚ながらもすっきりとして上品ですね。これ、日本酒のあてにしてもおいしいかも?(笑)」

懐かしい味がたくさん。どれを食べようか

さらに歩いていると目に飛び込んできたのは、これまた昭和の風情漂う『松村甘味食堂』。ショーケースには海苔巻きや玉子巻き、いなり寿司などが並び、ちょうど昼時ということで、ちょっと休憩することにしました。

Tamamiさんが注文したのはシンプルな「きつねうどん」。濃口醤油のすっきりとした味わいのだし汁に、甘辛く煮つけた油揚げ。さらに見た目も可愛い「山菜いなり」やキビを加えた「きびおこわ」もいただきました。「なんだか懐かしいおいしさ。田舎のおばあちゃんの家に来たような気分になりますね」。その味わいを求めて、店の前には行列ができていました。

LOCATION 05いちごの”力“を引き出し、大切に育む「和銅農園」いちごの”力“を引き出し、大切に育む「和銅農園」

秩父鉄道に乗り換えて、和銅黒谷駅へ

さて、ようやく今日のメインイベントのいちご狩りへ。

西武秩父駅から歩いて5分ほどの御花畑駅で秩父鉄道に乗り換え、和銅黒谷駅で下車。秩父には30軒ほどのいちご農園がありますが、この日訪れたのは創業30年の『和銅農園』。6000平方メートルの敷地に8棟のビニールハウスをもち、1年の生産量はおよそ30トン。全国各地からいちご好きが訪れる人気の観光農園です。

30分食べ放題。料金を支払うと、ハウスへと案内してくれます。きょうは「やよいひめ」という品種が栽培されているハウスへ。中に入ると甘酸っぱい香り。右にも左にもいちごがたわわに実ります。

広いハウス!いちごの作り方の難しさって何ですか?

「すごい! うれしい! おいしそう!」。テンションのあがるTamamiさんから1つ質問。「いちごを作るうえで、大切になさっていることは何ですか?」

「いちごが元気に過ごせる環境を作ってあげること、でしょうか」。答えてくれたのは当園の2代目・田口直樹さん。現在36歳だそうですが、いちごの栽培歴は何と16年のベテランです。

「たとえば、いちごが病気になるのは急激な温度差や湿度の変化が関係しています。果実が湿気るとそこから病原菌が入りやすくなる。言ってみれば人間が風邪を引くのと同じようなもの。一般的には病気を予防するために農薬などを散布することが多いけれど、うちでは温度や湿度管理を徹底。そうするとあまり農薬を使う必要がなくなるんです」

丁寧に作られているからおいしくなるんです

さらに土壌にも一家言。使用するのは農業のプロフェッショナルが研究を重ねて作り出した有機培土。化学肥料は一切使わず、いちごにやさしい有機肥料を用いるなど、安心で安全ないちご作りを行っています。

「いちごにとって過ごしやすい環境を整えてさえあげれば、いちご自らの力ですくすくと、おいしく育ってくれるんです」

LOCATION 06美味しいいちごの見分け方と収穫のコツ。美味しいいちごの見分け方と収穫のコツ。

へえ~、知らなかった。いちごの上手な摘みかた

早速、収穫! 田口さん曰く「下に引っ張ると枝から切り離せずに手の中でいちごが潰れてしまいますから、実をもったら横に曲げること。そうすると簡単に採れますよ」。言われるままに実をもって横に曲げると……プチッ。本当だ。簡単に摘めました。

また選び方にもコツがあるとか。見分けるポイントは? 「ハリとツヤがあるもの。そしてヘタの下まできちんと赤くなっているものが完熟している証拠です。ヘタの下部分が白いものはまだ成長の途中なんですよ」と田口さん。2つを食べ比べたTamamiさんも納得。「あぁ、本当ですね。甘味の強さが全然違います」

完熟いちごの赤さに見惚れる

ちなみに、いちごのサイズは甘さには関係ないとか。成長過程で最初に出てくる枝につくいちごは大きく、枝分かれするにつれて小さくなっていくとのこと。農家さんの豆知識です。

LOCATION 07いちごは横に食べるべしいちごは横に食べるべし

いちごの甘味を存分に味わうコツ

完熟したいちごを選び横に曲げて収穫。そのままヘタ部分をもっていちごを食べるTamamiさんに、「食べ方にも実はコツがあります」と田口さん。

「いちごは先っぽのほうが甘いので、ヘタのほうから食べるとよりおいしく感じられますよ。でも、農家の人たちは縦ではなく横にして食べます。甘味のある先の部分と酸味のあるヘタ部分を一緒に食べると、口のなかでいちごのもつ味や香りが混ざり合い、おいしく味わえるんです」と田口さん。

ひとつずつ表情も違うから、大切に味わえる

「なるほど。いちごをお酒のおつまみにするときも切り方によって味わいは変わりますもんね」と言いながらTamamiさんもおいしい食べ方を実践。「甘味と酸味が一体になって、口の中に豊かに広がります」

ここでまたまた豆知識。いちごの形について。きれいに円錐形のものと、先部分が四角く角張ったタイプがありますが、やっぱりきれいな円錐形がいい?「先っぽのほうが甘いので、実は四角いタイプのほうが甘味をたっぷり味わえます」とのこと。知っていましたか?

LOCATION 08幻のいちご「あまりん」。幻のいちご「あまりん」。

「おいCベリー」「よつぼし」…」…いろんな品種があるんです

いちご好きの間で「和銅農園」が人気なのは、多品種を育てていることも理由の1つ。その数なんと10種類!

収穫体験をさせてもらった「やよいひめ」をはじめ、6〜7粒で1日のビタミンCを補えるという「おいCベリー」、日本で初めて種から育てた品種「よつぼし」、粒が大きく香りの強い「紅ほっぺ」に、糖度が高く酸味もしっかりある「あまおとめ」などなど。

埼玉県産の希少種、「あまりん」を食べてみたい!

「どのいちごも甘いんですけど、それぞれに甘味の種類が違うんですね。『よつぼし』は爽やかな甘味で、『紅ほっぺ』は甘味に深さがある。なかでも私が一番感動したのは『あまりん』です。とにかく甘いですね。甘味が長く続く豊かな風味をもっています。これ、私が好きなワインにぴったりかもしれない……(笑)」

「あまりん」とは埼玉県産のオリジナル新品種。希少種ゆえ〝幻のいちご″と呼ばれますが、「栽培が難しいことに加え、通常のいちごが一苗から20粒ほど収穫できるのに対し、あまりんはわずか8粒ほどしか採れないから」と田口さん。直売所で購入できることはもちろん、いちご狩りまで体験できる農園は『和銅農園』を含めて数軒しかありません。

LOCATION 09次はぶどうにする?りんごにする?次はぶどうにする?りんごにする?

おみやげはもちろん「いちご」。次はいつにする?

「秩父って意外と近いんですね。これまでいちご狩りというと車で遠出して、帰りは渋滞に巻き込まれることも多かったんですけど、電車でサクッと行って気軽にフルーツ狩りができる。それってすごく魅力的ですね」。今回はいちご狩りを楽しんだTamamiさんですが、フルーツ好きの食指を大いに動かされた様子です。

秩父ならではのフレッシュなフルーツを求めて

「秩父では1年を通していろいろなフルーツの収穫体験ができるんですよね。ブルーベリーやぶどうもおつまみ作りによく使いますし、りんごはとっても奥が深くて多様な料理に活用できる。サーモンや生ハムと合わせたり、アヒージョにしても美味しいんですよ。いつものフルーツおつまみもその日に採れた新鮮な果物でつくれたら……こんなに幸せなことはないですね」

COLUMNTamamiさんの「いちごのおつまみ」Tamamiさんの「いちごのおつまみ」

帰宅したTamamiさんが新鮮な「あまりん」で作ったのは、ブッラータやモッツァレラなどのフレッシュチーズを合わせたおつまみ。「コツはワインビネガーとオリーブオイル、塩、こしょうをベースにしたドレッシングでしょうか。
適度に塩気や酸味をプラスすることで『あまりん』独特の甘味が引き立ち、お酒にもマッチする味わいになるんです」。
お好みでバジルやイタリアンパセリを添えても。

SHOP&SPOT今回のスポット

和銅農園

30年の歴史をもついちご農園。収穫体験は小学生以上1,800円、小学生未満1,000円。入園から30分食べ放題。※季節により料金の変動あり。詳しくはHPを参照。

埼玉県秩父市黒谷457-3

☎0494-25-4733
営業時間9:00〜なくなり次第終了
不定休

清月

観光客だけでなく地元民にも
愛される和菓子舗

埼玉県秩父市東町9-14

☎0494-22-0251
営業時間10:00〜17:00
不定休

松村甘味食堂

軽食から甘味まで。
懐かしい雰囲気が漂う食堂。

埼玉県秩父市東町7-8

☎0494-22-1857
営業時間9:30〜19:00頃
(売り切れ終了)
食事は12:00〜17:00頃まで
水曜休み

INFORMATION今回のスポット

西武秩父

西武秩父

西武秩父駅は特急ラビューに乗って
池袋駅から最短77分あまり、
所沢駅からは最短56分です。
和銅農園は西武秩父駅から徒歩約5分の
御花畑駅から秩父鉄道に乗って3つ目、
和銅黒谷(わどうくろや)駅で下車、
徒歩約3分です。
いちご狩りのあとは西武秩父駅に隣接する
『西武秩父駅前温泉 祭の湯』で
汗を流すもよし、
フードコートで食事を楽しんだり、
秩父名物や地酒をおみやげに。

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