つくられていない街、懐の深いやさしい街 椎名町つくられていない街、懐の深いやさしい街 椎名町

LOCATION 01昭和レトロな商店街には、懐かしくも新しい発見が満載です。昭和レトロな商店街には、懐かしくも新しい発見が満載です。

若き芸術家を応援するためにアトリエ付きの借家

各駅停車で池袋駅の1つ手前の椎名町駅。この界隈は赤塚不二夫をはじめ漫画家たちが住んだトキワ荘や、昭和のはじめから戦前にかけて、若き芸術家を応援するためにアトリエ付きの借家がたくさん建てられ「池袋モンパルナス」と呼ばれたエリアのうちのひとつでアーティストの街としても知られています。「さらに椎名町の魅力は昭和レトロな商店街にもあります」と語るのはNHKのテレビ番組『きじまりゅうたの小腹すいてませんか?』で有名な料理研究家のきじまりゅうたさん。

いまも賑わいを見せる下町の魅力

きじまさんは生まれも育ちも椎名町。「曽祖父母の代から椎名町に住んでいるので4代目です。料理研究家だった祖母(村上昭子さん)によると祖母が生まれた頃、このあたりは牧草地帯だったそうです」。昭和40年代から商店街が縦横に延びて、いまも賑わいを見せる下町の魅力が詰まった街です。

LOCATION 02ただ歩くだけで楽しい。昔ながらの商店街。ただ歩くだけで楽しい。昔ながらの商店街。

商店街の店をまずはひと歩き

北口を出てすぐのアーケード「すずらん通り」、縦横に走る「椎名町サンロード」「サミット通り」といった商店街には新旧のさまざまな店が並んでいます。きじまさんが商店街を歩いていると、すれ違いざまに多くの人から声がかかる。お知り合いですか? 「いや、みんなが知り合いというわけではないんだけれど、このへんの人は気さくでねー(笑)」

毎日新鮮な野菜 川口青果店

まず立ち寄ったのが「川口屋青果店」。切り盛りするのは川口ヨシコさん80歳。お肌がきれい!「毎日新鮮な野菜を食べていれば元気でいられるわよ(笑)」

仕入れはほとんど地元の商店街

「僕は料理研究家としていろいろなレシピを提案していますが、仕入れはほとんど地元の商店街でしています。誰でもどこでも手に入りやすい食材じゃないと家庭で再現できないから。これは料理研究家だった祖母からの教えです」。きじまさんはこの川口屋青果店で、それぞれの野菜の旬や産地の違い、素材の見極め方など多くのことを学んできたという。「きょうはこの里芋がしっかりしていておすすめよ」「春キャベツの巻きもいいね」。対話しながらの買い物で料理へのモチベーションも上がる。
「ごちゃごちゃとした街だけど(笑)、この〝つくられていない感″が椎名町のいいところ。ただ歩くだけでも楽しいんです」

LOCATION 03帰るまで我慢できない。食べ歩きの宝庫!帰るまで我慢できない。食べ歩きの宝庫!

立ち寄ったのは米屋『並木米穀』

「あ、ちょっと待って」と立ち寄ったのは、米屋『並木米穀』。きじまさんが選んだのはおにぎり。鮭、梅干しなどの定番から、ちゃっきり漬け、ガパオ、ポーク焼肉といった珍しいものまで約20種類もの品揃え。午後2時頃にはほとんどが売り切れになるとか。「何種類かのお米をブレンドしておにぎりに最適の炊き方にこだわってます」。お米も少量から買うことができます。

家に着くまで我慢できず歩きながら食べちゃう

また「家に着くまでに我慢できず歩きながら食べちゃう」というのが、『ベーカリーハラダ』のちょっと懐かしい総菜パンや菓子パン。コロッケやナポリタン、ネギチャーシューといった食欲をそそるラインアップがおよそ50種。何が、どのタイミングで焼き上がるかは、その日次第。いずれも店頭に並べる先から売れていくほどの人気ぶりだ。

仕事の合間のコーヒーが僕の栄養分

「パンを食べたらコーヒーが飲みたくなる。そんなときには『SANTOS COFFEE』でひと休み。ここのシェケラートは泡まで旨い。たまりません」
シェケラートとは濃厚なエスプレッソと氷、シロップをミキサーで一気に攪拌させたアイスコーヒー。店主の朴(ボク)さんは中国から来てここに店を開き、豆の仕入れから焙煎、抽出まで独学で研究し続けている。「いまでは雑誌が取材に来るくらいのおいしさに進化しているんです」
「朴さんと話をしながら店内で飲むこともあるし、目の前にある公園のベンチに座って飲んでも、気持ちがいいんですよね。ボーッとするの」

LOCATION 04喧噪を抜けて、癒やしのパワースポットへ。喧噪を抜けて、癒やしのパワースポットへ。

駅のすぐ近くの神社で心を落ち着ける

椎名町の商店街の賑やかな雰囲気から一転、穏やかな気配に包まれた。訪れたのは「長崎神社」。椎名町駅から徒歩1分足らずという立地にもかかわらず、日常の喧噪が嘘のよう。猫が気持ちよさそうにまどろみ、やさしい空気に満ちていた。
「僕にとってここはパワースポット。どんなに忙しくても参拝すると心が落ち着くというか。昔からお世話になっています」

大きな鳥居と精緻な彫刻物を有する本殿

大きな鳥居と精緻な彫刻物を有する本殿、木々の間から差し込む光……。須佐之男命(すさのおのみこと)と櫛名田比売命(くしなだひめのみこと)を祀る同神社は古くから、地元の人々の心のよりどころです。「例年9月に行われる例大祭は、近隣ではかなり大規模で盛り上がります。僕も毎年お神輿を担いでいます」

LOCATION 05ひとっ風呂浴びてから軽く一杯。ひとっ風呂浴びてから軽く一杯。

銭湯のある街はあらゆる世代にとって住みやすい街

「最後に軽く一杯、行きましょう。でもその前に……」と案内してくれたのは親子4代にわたり続く銭湯『妙法湯』だ。「この界隈には、以前はもっとたくさんの銭湯があったんだけど……。銭湯のある街はあらゆる世代にとって住みやすい街なんじゃないかと思います」
暖簾をくぐると、なるほど楽しい気配がぷんぷん漂っています。サウナに入るときに被るフェルト製のサウナハット、地元のパティシエが作る焼き菓子やTシャツなどが所狭しと並んでいるのがユニーク。もちろん湯にもこだわり、最先端の軟水・炭酸のウルトラファインバブルを採用しているという。

ゴクリ。ゴクリ、ゴクリ。プハーッ。

「極めつけは休憩スペースに生ビール。サーバーが用意されていてハートランド(400円)が飲めるんです。ゴクリ。ゴクリ、ゴクリ。プハーッ。幸せだな〜(笑)」。サイダーの種類も豊富で目移りしそう。

ふらりと来て、軽く飲んで帰るには最高です

さて。身も心もリフレッシュしたきじまさんが向かったのは、駅前にある『おぐろのまぐろ』。本まぐろを使ったメニューを良心的な価格で提供してくれる立ち飲み屋です。これが本当に新鮮で安い。升に盛ったつまみの本まぐろはなんと199円。ほかにもまぐろの角煮、竜田揚げ、まぐろのユッケまで。「ふらりと来て、軽く飲んで帰るには最高です。きょうはホッピーにしよう」

いろいろな顔をもつ椎名町

「今回は紹介できませんでしたが、椎名町にはオススメの飲食店がまだまだたくさんあります。魚と焼き鳥がメインだけど日替わりメニューが半端なくおいしい居酒屋とか、地元の人が愛する焼きとん屋、全国の日本酒が揃う4〜5人しか入れないお店とか。またぜひ、椎名町に遊びに来て下さい!」

いろいろな顔をもつ椎名町でぜひぶらぶら歩きの楽しさを。

SHOP&SPOT今回のスポット

川口屋青果店

旬を見極め、
産地を選ぶ目利きの八百屋。

東京都豊島区長崎1-3-8

☎03-3957-5083
営業時間9:00〜19:30
日祝休み

並木米穀

手作りおむすびと和菓子も提供するお米屋さん。

東京都豊島区長崎1-3-11

☎03-3973-3100
営業時間8:00〜18:00
月曜休み

ベーカリーハラダ

惣菜パンから菓子パンまで
充実のラインアップ。

東京都豊島区長崎2-27-20

☎03-6908-2544
営業時間7:30〜19:00
日月祝休み

SANTOS COFFEE

スペシャルティコーヒーが
愉しめる本格派。

東京都豊島区南長崎1-24-4

☎03-6379-3721
営業時間10:00〜19:00
月曜休み

長崎神社

旧長崎村のご鎮守。獅子舞は区内唯一の民俗芸能として民俗文化財に指定されている

東京都豊島区長崎1-9-4

☎03-3957-0481

妙法湯

地元民に愛される銭湯。店主の柳澤幸彦さんは東京都公衆浴場業生活衛生同業組合の広報委員も務める

東京都豊島区西池袋4-32-4

☎03-3957-8433
営業時間15:00〜25:00(最終入館24:00)
月曜休み

おぐろのまぐろ

本まぐろを安心価格で愉しめる
立ち飲み屋。

東京都豊島区長崎1-4-17

☎03-4291-9911
営業時間16:00~22:00
(料理L.O. 21:00 ドリンクL.O. 21:30)

INFORMATION今回のスポット

信濃町

信濃町

椎名町駅は池袋線の各駅停車で池袋駅の1つ手前。
急行、準急、快速急行などは
停まらないのでご注意を。
今回は北口に広がる商店街を中心に回っています。

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