西武鉄道社員がかなえたい

あれもこれもストーリー

Vol.13 「乗車ポイントを活用して
西武線沿線ライフをより豊かに!」

西武鉄道が7月にサービスを開始した「乗車ポイント」。スマイルリンク登録したPASMOで、対象の条件で西武線に乗るとポイント(SEIBU Smile POINT)が貯まり、貯まったポイントは1ポイント=1円としてレジャーやショッピングなどで使える、という嬉しい仕組みです。時差通勤でポイントを貯めて、西武園ゆうえんちやプリンスホテルに行ったり、特急券に引き換えて秩父にお出かけしたり、という使い方も!

西武線沿線ユーザーにとって、鉄道の新たな使い方、楽しみ方につながる乗車ポイント。担当者の熊澤さん(~2022年3月まで担当)と村木さん(2022年4月より担当)に、導入秘話を伺いました。

2022年7月から『乗車ポイントサービス』開始!

西武グループ共通会員サービス「SEIBU PRINCE CLUB」に登録(スマイルリンク)したPASMOを使い、特定の条件で西武線にご乗車いただくと「SEIBU Smile POINT」が貯まる新たなポイントサービスです。




SEIBU PRINCE CLUBとは?

「SEIBU PRINCE CLUB」は西武グループの会員プログラム。会員は西武グループの施設利用でポイントを貯められるほか、さまざまな特典・サービスを受けることができます。

01

車掌、遊園地、埼玉西武ライオンズなど

さまざまな職種を経験

―熊澤さん、村木さんの現在の業務内容を教えてください。

熊澤「現在は、西武ホールディングスDX・マーケティング戦略部で西武グループの会員サービス『SEIBU PRINCE CLUB』の企画を担当しています。2022年の3月までは西武鉄道マーケティング部で、乗車ポイントをはじめとする新規事業を担当していました」

村木「私は熊澤さんとバトンタッチする形で4月からマーケティング部に移り、乗車ポイントのプロジェクトを担当しています」

―お二人はこれまでに、どんなお仕事をしてきましたか?

熊澤「入社してまずは所沢駅の駅係員になり、池袋線では車掌をしていました。プリンスホテルでフロントやドアマンを担当していたこともあります。マーケティング部には、産休、育休を挟んで配属になり、乗車ポイントプロジェクトの新規立ち上げを担当しました」

村木「私も熊澤さんと似ていて、池袋駅の駅係員からスタートしました。その後は、としまえんでプールや遊園地のスタッフを担当し、西武ライオンズで法人営業・自治体連携を担当していました。それまではライオンズのことをあまり知りませんでしたが、間近で球団に関わることで、気づいたら大ファンになっていて。選手と接する機会もあるので、応援したくなってしまうんですよね」

02

お客さまのニーズに

もっとフィットした鉄道会社へ

―乗車ポイントのプロジェクトは、どういった経緯で生まれたのでしょうか?

熊澤「昨今、さまざまな業種でサービスのデジタル化が進んで、お客さま一人ひとりのニーズに合ったサービス展開が広がってきています。西武鉄道としても、マーケティングの施策を進める中で、「乗車ポイントを始めるのはどうか」という話が上がり、プロジェクトが始動しました。ポイントのやりとりを通して、お客さまの情報や行動を収集、分析し、より必要とされるサービスを提供したい、という狙いです。ちょうど他社さんでも乗車ポイントがリリースされるなど、コロナ禍の影響で時差通勤が呼びかけられているタイミングでもありました。小売・流通業界では、お客さまの購買データを用い、好みに合った商品を事業者がお客さまに提案する・必要な商品をリマインドするのはすでに一般的ですよね。そういった企業とお客さまのコミュニケーションの取り方は、鉄道事業においても、今後需要が高まってくるのものと想定しています。そうした社会の流れに対応して、どのようなお客さまが西武線に乗っているのか、どのような行動をされているのか、もっと理解して、より快適なサービスに落とし込んでいきたいと考えました」

―導入にあたっては、コロナ禍の影響も大きかったのでしょうか?

熊澤「そうですね。時差通勤など、行動変容にご協力いただいているお客さまへ何か還元したい、さらにご協力いただけるお客さまを増やしていきたい、という思いからオフピーク利用でポイントが貯まる「オフピークプラス」を企画しました。それ以外に、おでかけでポイントが貯まる「おでかけプラス」を企画しました。「おでかけプラス」では、ちょっとお得にお出かけを楽しんでいただき、西武線沿線のイベントや観光地が盛り上がれば嬉しいなと考えています」

平日の朝にPASMO定期券(通勤・大人)を使用し、対象の駅で特定の時間帯に入場し、 池袋駅・高田馬場駅・西武新宿駅のいずれかの駅を出場した場合に、「SEIBU Smile POINT」が貯まります。

西武線沿線の観光地や開催イベント等へおでかけの際に 、特定の条件で西武線に乗車すると「SEIBU Smile POINT」が貯まります。

03

事前登録し、キャンペーンにエントリーすれば

PASMOをピッとタッチするだけ

―乗車ポイント登録から利用までの、具体的な流れを教えてください。

熊澤「まずは西武グループの会員サービス『SEIBU PRINCE CLUB』に登録していただきます。その後、会員情報と、お手持ちのPASMO番号とを紐付ける『スマイルリンク登録』をし、乗車ポイントキャンペーンにエントリーしていただく、という手順になっています。最初に少しだけ手間はかかりますが、登録さえできれば改札機でPASMOをピッとタッチしていただくだけで大丈夫です。貯まったポイントは1ポイント=1円として、レジャーやショッピングにお使いいただけます」

―エントリーが必要なんですね。

熊澤「『SEIBU PRINCE CLUB』をポイントをただ貯めるだけというサービスではなくて、お客さまとコミュニケーションを取るためのプラットフォームに育てていきたいんです。
そのために、あえてエントリーが必要な設計にしました。お客さまには少しご面倒をかけてしまいますが、エントリーボタンを押すために、『SEIBU PRINCE CLUB』のマイページやアプリにアクセスする。そうすることで乗車ポイントについてだけでなく、西武グループ全体の情報を知ることができる。ポイントを通して、西武グループの魅力に触れていただき、お得で楽しい体験をしていただきたいと思っています」

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04

チームリーダーがいなくても

プロジェクトをきちんと回せるように

―導入するうえで苦労されたことはありますか?

熊澤「開発当初はこじんまりできるかな、と思っていたのですが、プロジェクトを進めていくうちに、引き込まないといけない関係者が意外と出てきて苦労しました」

村木「その辺りは、熊澤さんから引き継いだあとも大変でしたね(笑)。基本的にシステム構築は社外にお願いしているのですが、それぞれ得意分野が違うので、やりとりする会社が多いんです。乗車ポイント自体のシステムはA社、スマイルリンクの紐付けはB社、SEIBU PRINCE CLUBのシステムはC社、改札機に関してはD社、PASMOに関してはE社……など、それぞれの会社の毛色に合わせてコミュニケーションを取っていきました」

熊澤「そうそう。協力企業ごとに、社内の担当部署も違ったりしていて。最終的には社内横断的な要素もある、大掛かりなプロジェクトになっていきました」

―熊澤さんは、お子さんを育てながらチームリーダーを務めていたということですが、その辺りでの苦労はいかがだったでしょうか。

熊澤「もちろん大変なことは多かったのですが、私が不在になってしまうことが多い分、私がいなくてもプロジェクトが回せるよう、課長への情報共有を常に意識していました。報連相を大切にして、資料や情報をこまめに共有していたので、チームのメンバーが代理でプレゼンをしてくれたり。複雑なプロジェクトでしたが、滞りなくプロジェクトを進めることができたのではないかと思います」

―チームリーダーが考えていることを、メンバーみんなが自分の言葉で話せるというのは、とても大切なことですよね。

熊澤「認識の齟齬をなるべく埋めるために、自分の考えを図解化するということを意識していました。たとえば乗車ポイントの機能を説明する資料だと、どのような流れでお客さまにポイントが加算されていくのか、データがどう集まるのか、私たちはお客さまとどうコミュニケーションを取るのか、など、イラストや図を使いながら見える化していったんですね。新しいサービスって、どうしても具体的なイメージが湧きづらいので、空中戦で話が進んでいき、「あれができる」「これができる」と一人一人の認識齟齬が生まれ、情報が錯綜し、双方の合意が取れなくて前に進まないということもたくさんあります。そのため、認識に齟齬が生まれないよう気をつけながら、進行するようにしていました」

05

業務をバトンタッチ

部内のコミュニケーションを円滑に

―リリースまであと一息、というタイミングで人事異動があり、熊澤さんから村木さんへ業務のバトンタッチをされました。プロジェクトマネジメントを行うチームリーダーとして、プロジェクトの立ち上げから、サービスの構想策定、新システム開発に向けた要件定義、設計まで担当した熊澤さん。当時はどういった心境でしたか?

熊澤「プロジェクトから離れることへの心配はありましたが、異動後も業務が円滑に進むよう、しっかり引継ぎしていきました。現在は、『SEIBU PRINCE CLUB』の企画担当になったので、開発からは離れましたが、乗車ポイントサービスを後押しする立場として盛り上げていきたいですね」

村木「引き継ぎ時間も限られていたので、なるべく熊澤さんに負担がかからないように、気になることがあれば、まずは過去の議事録や資料を漁り、部内の先輩に確認。それでも分からなければ熊澤さんに聞く、というふうにしていました。マーケティング部はとても風通しの良い部署で、上長も接しやすいんです。チャットや電話でコミュニケーションをとりながら、スピード感を持って仕事を進められるのはありがたいですね。まだ慣れないこともありますが、私もこのスピードに置いていかれないよう、頑張りたいと思います」

06

西武鉄道ならではの

コンテンツを楽しんで欲しい

―乗車ポイントの、おすすめの使い方があれば教えてください。

村木「埼玉西武ライオンズのファンで、ファンクラブ会員になっている方には、ぜひおでかけプラスの「電車で球場に行こうキャンペーン 」にエントリーしていただきたいです!このキャンペーンでは、西武線の区間が含まれるPASMO定期券(通勤・大人) をお持ちで、ベルーナドームでの埼玉西武ライオンズ一軍公式戦開催日当日 に、西武球場前駅で出場すると、SEIBU Smile POINTが1ポイント貯まります 。2ポイント以上を貯めて、SEIBU PRINCE CLUBマイページ上の アンケートに回答すると、抽選で「埼玉西武ライオンズ選手直筆サイン入りボール」や「駅の推し獅子BIG キーホルダー(非売品)」が当たるという内容です。直筆サイン入りボールが当たるというのは、西武鉄道ならではのコンテンツですし、私自身1ファンとしても熱い企画です。直筆サイン入りボールがゲットできるチャンスですので、ぜひチャレンジしてみていただきたいですね」

※「埼玉西武ライオンズ選手直筆サイン入りボール」は5名様、「駅の推し獅子BIGキーホルダー」は200名様に抽選でプレゼントします。
※電車で球場に行こうキャンペーンは、2022年9月末までです。
電車で球場に行こうキャンペーン の詳細はこちら

―埼玉西武ライオンズへの熱量が伝わってきますね。熊澤さんはいかがでしょうか?

熊澤「私のおすすめは、オフピークの時差通勤でポイントを貯め、ぺぺやエミオといった商業施設でお買い物をしたり、プリンスホテルで使ったり、西武園ゆうえんちや祭の湯などのレジャーに使ったりなど、自分へのご褒美に活用していただきたいです。私自身はカフェが好きなので、カフェで使えるのも嬉しいですね」

西武園ゆうえんちのチケットや園内の通貨の購入でポイントを利用できる!貯められる!

西武園ゆうえんちの詳細はこちら

祭の湯内のすべての店舗でポイントを利用できる!貯められる! (フードコート券売機を除く)

祭の湯の詳細はこちら

07

実現できる未来にワクワク

仲間と助け合い、想いを形にしていく

―今回の経験で得たものや、感じたことがあれば教えてください。

熊澤「『自分や仲間の想いを形にしていくこと』をとても楽しいと感じる自分に気付くことができました。短期間での企画立案や、多くの関係者との連携など、大変なことはいくつもありましたが、それを乗り越えることができたのは『アイデアを実現してみたい』という思いと、事業化によって実現できる未来にワクワクした気持ちがあったからだと思います」

村木「私は、プロジェクトを進めていくなかで、さまざまな関係者と助け合うことの大切さを学びました。以前いた部署でも、さまざまな方とプロジェクトを進めていく経験はありましたが、今回はいろんなシステムを繋げて完成を目指すということで、特に労力がかかりました。システム構築に関わる社外の協力企業すべてをまとめるのはとても大変で、自分一人で抱えることは絶対に不可能です。時にはチームのメンバーにお願いをし、コミュニケーションをとりながら一緒に動く、という経験はとても勉強になりましたね」

08

西武線沿線のファンを

もっと増やしていきたい

―お二人が、今後かなえたい目標や夢はありますか?

熊澤「入社して以来、西武グループのサービスを通じて、お客さまに新しい体験価値を提供し、新しい文化を創造できないかと、ずっと考えてきました。それはこれからも変わらず、お客さまや関係者の皆さまにとって、より利用価値のあるサービスに進化させていきたいと思っています。乗車ポイントは、登録さえすればPASMOを改札機にピッとタッチするだけで、気軽にお楽しみいただけるので、ぜひうまく活用していただけたら嬉しいです」

村木「西武線沿線をより活性化させて、西武鉄道のファンをもっと増やしていきたいですね。今担当している乗車ポイントも、前部署で担当していたMaaSも、沿線を活性化させる手段の1つであって、手段はいくらでもあると思うんです。マーケティング的な目線でいうなら、西武線沿線に住み続けたい、訪れたいと思っている人の想いや考えを、分析、検証して、それを多くの人に感じてもらえるような「再現性」を仕掛けたい。それができるような、マーケティングのスペシャリストになれたら最高ですね」

熊澤 友紀

Vol.13 Profile

熊澤 友紀(クマザワ ユキ)

西武ホールディングス
DX・マーケティング戦略部
2013年 西武ホールディングス入社

※所属等は、取材当時のものです。

村木 智徳

Vol.13 Profile

村木 智徳(ムラキ トモノリ)

西武鉄道株式会社
マーケティング部
2017年 西武ホールディングス入社

※所属等は、取材当時のものです。

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