Vol.14
チケットレスで特急を楽しむ
「Smooz」リニューアルへのこだわり
「Smooz(スムーズ)」は、西武鉄道のチケットレスサービスです。駅の窓口や券売機で手続きする必要はなく、Web上で特急券・指定券を購入することが可能。チケットレスで特急電車・座席指定列車をご利用いただけます。
もともと2013年に開始したサービスですが、2022年12月からは、会員登録をして利用すると「SEIBU Smile POINT」が貯まるようになりました。またお客さまの利便性をより高めるためにキャッシュレス決済「PayPay」が使えるようになったほか、「西武線アプリ」からも特急券・指定券を購入できるようになるなど、より便利にリニューアル!
今回はリニューアルを担当した、計画管理部の高野さんにお話を伺いました。
「Smooz」は、2013年に開始したサービスで、Web上で特急券・指定券を購入することができ、駅の窓口や券売機で購入する手間がなく、チケットレスで特急電車・座席指定列車をご利用いただけます。
2022年12月にサービスを一新し、「SEIBU PRINCE CLUB」と会員組織を統合することにより、西武グループの多彩な会員特典をご利用いただけるよう進化。また、「西武線アプリ」と連携し、アプリからも「Smooz」を利用できるようになりました。
さらに、「Smooz」の新機能として、決済手段にはクレジットカードのほか、広く普及しているキャッシュレス決済「PayPay」でのお支払いが可能になりました。これにより、クレジットカードを所持していないお客さまも「Smooz」を利用できます。そのほかにも、「Smooz」で購入した特急券・指定券を友人等に「LINE」アプリで送信する機能も搭載するなど、多くのお客さまがより便利にご利用いただけるサービスを実現しました。
Index
駅係員、車掌、運転士の
勤務を経て本社勤務へ

―高野さんの現在の業務内容を教えてください。
高野「計画管理部管理課で、Laviewをはじめとした特急電車、座席指定列車やSmoozの利用促進などを担当しています。2021年から今の部署に来て、それまでは駅係員や電車の車掌、運転士、2015年から計画管理部審査課で勤務していました」
―現場で働かれていたんですね。
高野「入社してすぐ、新宿線東村山駅管区の小平駅で約半年、その後小川駅管区の拝島駅で2年ほど勤務していました。拝島駅は、駅係員が駅長を含めて3人体制という小さな駅だったのですが、その分1人の業務範囲が広くて楽しかったですね。終着駅なので、お忘れ物の対応が特に多く、傘やカバンはかなり多かったです」
―乗務員時代についても詳しく伺いたいです。
高野「池袋線の保谷乗務所で車掌を約1年、飯能乗務所で運転士として約3年勤務しました。池袋線の朝のラッシュだと、何千人という方が乗車しているので、責任感や緊張感はすごいものでした。ただ、もともと東久留米市出身で、西武線をずっと使っていたので親しみがありましたし、地元に貢献できる仕事ということで、やりがいは非常にありました。小さなお子さまと交流できるのも楽しかったですね」
サービス開始9年で
はじめての大規模リニューアル

―Smoozのリニューアルにどのように関わられたのか、お教えいただけますか?
高野「Smoozは、西武鉄道のチケットレスサービスなのですが、サービス自体は2013年からありました。ラッシュ時間帯の特急を利用される方の約60%はすでにSmoozを使っていただいていたのですが、サービス開始から時間が経って、生活様式も変化してきたので、より使い勝手の良いものにリニューアルしようということになったんです。私は、リニューアル案を構築している途中でプロジェクトに加わり、主にプロモーションを担当することになりました」
―具体的にはどんな役割を担当されたのでしょうか?
高野「広告代理店の方や、関係部署と協力しながら、プロモーションのスケジュールを組み、ポスターやロゴ、ホームページなどの宣伝物を制作しました。新しいロゴは特にこだわりが詰まった力作です」
―以前のロゴと比べて、洗練されたイメージですね。
高野「Smoozがサービスインした当時の有料列車は特急レッドアロー号のみでしたので、特急レッドアロー号の赤い矢をイメージしたデザインだったのですが、今は特急ラビューや座席指定列車のS-TRAIN、拝島ライナーも運行しています。シンプルなデザインに変えたことで、スマホの小さな画面でもはっきりと見えるようになりました」
―Smoozというネーミングは変えず、ロゴだけ変更になったんですね。
高野「お客さまへのインタビュー調査を行なった結果、名称とサービスはすでに浸透しているので変えないほうがいいということが見えてきたんです。それで、名称はそのままに、でもリニューアルしたということがパッと見てわかるように、デザインをバージョンアップさせました」

リニューアル前のSmoozロゴ

リニューアル後のSmoozロゴ
会員登録なしでも利用可能
登録すれば、もっとお得でもっと便利に

―Smoozを利用して乗車するときの、具体的な流れを教えてください。
高野「まずSmoozにアクセスして、列車と座席を選びます。窓口や券売機に並んで特急券・指定券を購入する必要はないので、インターネットにアクセスできれば、いつでもどこでも購入できます。座席は、ご希望の列車のシートマップが見られるので、お好きなところを選べます。決済方法は、クレジットカードやPayPayから選べて、乗車する列車の変更も可能です」
―急な予定変更にも安心ですね!
高野「Smoozは会員登録しなくても利用できるので、特急券・指定券は2回まで変更可能なのですが、会員登録をすると乗車日当日になると当日中の列車へ何度でも変更できます。今回の大きなリニューアルポイントとしては、会員登録をすると『SEIBU Smile POINT』が貯められたり、LINEやメールでネット購入券を送れたりと、さまざまなメリットがあるんです。「SEIBU Smile POINT」は西武プリンスクラブ加盟店で1ポイント=1円で使用できます。ぜひ楽しみながらお得にご活用いただきたいですね」
遠方や海外からのお客さまにも
サービスを使ってもらいたい

―リニューアルで心がけた点があれば教えてください。
高野「私たちはずっとリニューアルプロジェクトに携わっているので、新しいSmoozの内容についてはよく分かっているのですが、リニューアル内容や利便性を初見のお客さまにどのように伝えるかという点は常に意識していました。他の部署や、今まで寄せられたお客さまの意見も踏まえながら、スケジュールギリギリまでこだわって制作しました」
―リニューアルするうえで苦労されたことはありますか?
高野「Smoozは初めてのフルリニューアルだったので、西武線アプリ担当部やSEIBU PRINCE CLUB担当部などの社内関係者をはじめ、相互直通運転をしている各社さまなど、関係者がとても多くて、スケジュール調整や依頼事項の整理が大変でしたね」
―今回のリニューアルで、Smoozに会員登録をすれば、SEIBU PRINCE CLUBのサービスも受けられるようになったんですよね。
高野「そうなんです。特急電車、座席指定列車のご利用だけでなく、西武グループのさまざまな特典をお客さまに提供できるようになりました。ぜひ合わせてご活用いただきたいです。また、キャッシュレス決済PayPayが使えるようになったり、Smoozで購入した特急券・指定券を友人等にLINEアプリで送信する機能も搭載されたりしたので、遠方からのお客さまにもお気軽に使っていただけると嬉しいですね。また、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語にも対応できるようになったので、海外からのお客さまに向けても発信をしていきたいと思っています」
通勤、通学、おでかけ
さまざまな利用シーンを想定

―ポスターにも力を入れたと伺いました。
高野「Smoozは、西武線沿線の有料列車すべてが対象になるサービスなので、ポスターをつくる際にも、ひとつのイメージではなくて、いろいろな利用シーンを想起させるものにしたいという思いがありました。それで、出勤姿の男性の姿と、アウトドア系の女性の姿、2パターンでつくることになりました」
―こだわった点はどこでしょうか?
高野「モデルの方の選定から、服装、色味など、かなり細かな部分まで、広告代理店の方と社内のメンバー含めて何度もやりとりをして決めていきました。たとえば女性の服装に関しては、当初リュックを背負って、ウィンドブレーカーにトレッキングシューズというような『ザ・山ガール』というイメージだったんです。でも代理店の方と相談を進めるなかで、もっとスタイリッシュな服装の方が、Smoozのリニューアルには合っているんじゃないかということになりました。スタイリングなどはまったく未経験のことだったので、ポスター1つでも『こんなにこだわってつくっているんだ』と非常に勉強になりましたね」
―駅係員だったという視点も生かされているのでしょうか?
高野「今回、2枚連貼りにすることも想定していたので、駅や電車内で目立つようにという点は意識していました。実際、ポスターが貼られるとSNSにアップしている方がいるなど、良い反響があったのはすごく新鮮な経験でしたね。駅係員や乗務員のときと違ってお客さまと直接的な触れ合いではないですが、こうした形でお客さまと接する機会ができてとても嬉しかったです」
拝島ライナー上り運行開始で
ゆったり快適な通勤を

―Smoozの、おすすめの使い方があれば教えてください。
高野「たとえば2023年の春から、座席指定列車『拝島ライナー』の、平日朝の上り運行が始まります。全席指定席で、ゆったり座って移動できるので、拝島線沿線から都心への通勤、通学がもっと快適になります。Smoozで行きも帰りも事前にお好きな座席を選んでいただくことで、券売機や窓口に並ぶことなく乗車できますし、Smoozで獲得したSEIBU Smile POINTは西武プリンスクラブ加盟店でも使えます。もっとショッピングがしたければ乗車変更で遅い時間の拝島ライナーに変更もできますので、通勤通学・帰宅時間をより楽しめるようになると思います」
―社会情勢的に、満員電車には抵抗感があるという方もいると思うので、ゆったりと移動できるのは安心感がありますね。
高野「そうですね。あとは、西武線アプリと連携したので、列車の走行位置から特急券を購入することができるんです。私には5歳の息子がいるのですが、家族で出掛ける際に『この電車に乗ろう!』と一緒に画面の特急電車のイラストを見ながら操作して購入できるというのが楽しいポイントです。普段の通勤、通学のみならず、子どもや家族と一緒にぜひSmoozを活用していただきたいです」
―家族と一緒に使えるのは良いですね!
お互いの考えを尊重しあいながら
課題解決に取り組む

―今回の経験で得たものや、感じたことがあれば教えてください。
高野「Smoozのリニューアルを通して、たくさんの関係者の方と関わることができました。もちろん意見が合わないことや、課題も多く発生しましたが、お互いの考えを尊重し合い、知恵を出し合って課題解決に取り組んできました。その結果として、お客さまの笑顔につながったのはとても嬉しかったですね」
良い意味で期待を
裏切っていきたい

―今後かなえたい目標や夢はありますか?
高野「もともと地元に貢献したいという志望動機で入社しているので、今回のリニューアルプロジェクトは非常にやりがいを感じられました。今後も、お客さまの抱えている『もっとああして欲しい、こうして欲しい』という課題や要望を実現できるサービスをつくっていきたいです」
―西武線沿線を利用されるお客さまへメッセージをお願いします。
高野「サービスや施設、スタッフの対応など含めて『西武線沿線って楽しいね』『どんどん新しい、面白いことをやってくれる会社だね』と、良い意味で期待を裏切っていけたらなと思っています。西武鉄道は、都心部まで行くこともできるし、秩父方面に行けば山がある。西武グループは埼玉西武ライオンズという球団も持っているし、西武園ゆうえんちもある。BIGBOX東大和のあそびっぐという子どもの遊び場や、スケートリンク、スキー場などもあって、非常にバラエティが豊かなんですよね。相互直通運転もしているので、ほかの鉄道各社局とも協力しながら、鉄道業界全体で西武線沿線を盛り上げていきたいです」

Vol.14 Profile
高野 大由(タカノ ダイユウ)
西武鉄道株式会社
計画管理部
2009年入社
※所属等は、取材当時のものです。
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