列車の進化

西武鉄道ではこれまで100年以上もの間、たくさんの機関車や電車が活躍してきたよ。
40000系など今の車両が誕生するまで進化をしてきたんだ。
どんなふうに変わっていったのかな?
列車の進化を見てみよう!
はじまりは蒸気機関車から。
むかしむかし、蒸気を使って走る機関車がイギリスで発明されて、日本にやってきたのが列車のはじまりなんだよ。西武鉄道の昔の路線もこの蒸気機関車からスタートしたんだ。写真はSL5号機(蒸気機関車)といって、そのころの古い機関車のひとつ。動力車として最も長い間働いた車両なんだ。
運転席は、運転士以外に石炭を燃やす運転助手もいたので、今の電車と比べて広かったんだよ。

蒸気機関車が動く仕組み
こうして蒸気機関車は後ろに連結されている車両を運ぶことができるんだ。

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火室とよばれる釜の中に石炭を入れると、いきおいよく燃えるよ。
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ボイラーの中で熱いお湯が沸いて、蒸気ができるよ。
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蒸気だめにたまった蒸気がものすごいいきおいでシリンダーまで運ばれて、その力でピストンが動くよ。
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ピストンとつながっている車輪(動輪)もいっしょに回転して機関車が動くよ。
SL5号機(蒸気機関車)
1896年に製造された当時の車両が旧保谷車両基地で長年保管されているよ。2012年11月には修復完成記念披露会がひらかれ公開されたんだよ。動かないけれど、デビュー当時のように黒くてピカピカになっているよ!!

電気機関車の登場。
この後登場したのが、電車と同じ電気で走る電気機関車なんだ。
この機関車のいいところは、石炭や水を補給する必要などがないので、結果長い距離を走れるということだよ。
西武鉄道の昔の路線でも早くから何台かの電気機関車が走っていたんだ。その中のひとつがE11形(電気機関車)という車両。不思議な形をした車両だね。

電気機関車が動く仕組み
かせんからパンタグラフで電気を受け取り、動輪につながっているモーターが回ることで機関車が動くんだ。間にある制御装置でモーターの回転を調節することができるんだよ。今は日本では貨物列車で使われることが多いけれど、外国では客車を引っぱって走っていることが多いんだ。

E11形
1923年に製造された当時の車両が旧保谷車両基地で長年保管されているよ。2012年5月には修復完成記念披露会もひらかれ、公開されたんだよ。今はあざやかなローズレッドの色になっているよ!!

いよいよ電車が登場。
電気機関車が走りはじめてから間もなく電車が登場したんだよ。加減速がしやすく、急な上りの線路も楽に走れたり、短い時間で折返し運転ができるなど便利なところがいろいろあって、その後新しい車両がどんどん増えていったんだよ。
電車が動く仕組み
動く仕組みは基本的に電気機関車と同じだよ。大きく違うところは、機関車自体にはお客さまを乗せられないけれど、電車は運転する車両にもお客さまを乗せられること。だから、より多くの人を乗せて運ぶことができるよ。
そして機関車は主に「動かない客車」を引っぱっているけれど、電車は「動く客車」同士で連結することができるんだ。これによって、より安定して、より速く走ることができるようになったんだよ。都心のような駅と駅の間が短く、たくさんの人が乗り降りするところでは、電車が活躍するんだね!

電車の名前に付いている「クモハ」ってなぁんだ?
これは「車種記号」といって、車両の種類をカタカナ1文字であらわし組合わせたものなんだ。鉄道の車両には下の記号がよく使われているんだよ。
昔は1両だけで走る電車が多かったから、それがそのまま名前に付けられていたんだね。今でもこの車種記号を使っている会社もあるんだよ。
2000系の車体の横に書いてあるよ。探してみてね。

ク |
制御車(運転台のある車両) 「くっついて走る」の頭の文字をとって「ク」 |
---|---|
モ |
電動車(モーターのついている車両) 「モーター」の頭の文字をとって「モ」 |
サ |
付随車(運転台もモーターもない車両) 電動車に「さしはさまれて走る」の頭の文字をとって「サ」 |
キ |
気動車(エンジンで走る車両) 「気動車」の頭の文字をとって「キ」 |
ハ |
普通車、一般車 昔、普通車、一般車は三等車とよばれていて、一等車から「イ」「ロ」「ハ」の順に付けられたといわれているよ。 今では、高級な特急型車両が「ロ」、普通の客車を「ハ」ということが多いよ。 |
例えば、
- 「モハ」
普通の「電動車」 - 「クハ」
普通の「制御車」 - 「クモハ」
普通の「制御電動車」(運転台とモーターが付いている車両) - 「サハ」
普通の「付随車」