
セルフチャレンジの延長線で誕生したアメリカ発祥のカルチャー「FKT」。Fastest Known Timeの略で、特定のトレイルや登山道、舗装路などをつなげて設定したルートを最も速く走った(歩いた)記録を指す。
誰かが決めたコースでタイムを競い合うが、速い選手たちに限られた遊びではなく、市民ランナーにとってはトップ選手の速さ、すごさを身近に体感できるチャンスでもある。
今回、奥武蔵エリアの2コースで上田瑠偉選手がFKTに挑戦。2019年、スカイランナーワールドシリーズの王者になった世界トップ選手のタイムが、奥武蔵に刻まれたのだ。
特急ラビューに乗れば、東京都心の西武鉄道池袋駅からトレイルヘッドである埼玉県の飯能駅までは最短38分。そんな身近な場所に本格的なトレイルコースがあり、世界レベルのタイムにも挑戦できる奥武蔵へ、トレイルランナーとして行かない理由はない。ぜひ上田選手のタイムに挑んでみよう。
日和田山の登山口から徒歩10分の場所にある鳥居がスタート地点。奥武蔵3ピークスという名前は、日和田山と物見山、スカリ山のピークを通過することから名づけられた。フィニッシュは越上山の南にある諏訪神社の境内にある鳥居で、距離は約8㎞だ。
コースの特徴とタイムアップを狙う上でのポイントを上田瑠偉選手はこう話す。
「トータルすると登っている時間が長く、僕の中では〝下らない印象のコース〞。こまめなアップダウンが出てくるので、下りの加速を次の登りにつなげたり、ジェットコースターのように走ってスピードを下げないよう心がけたいですね。ただし、日和田山の下り、一本杉峠への下りは短いながらもテクニカルなので、油断しないことが大切です。序盤に上げすぎると打ち上がって後半に失速しますが、8㎞ちょっとの短いコースなので、抑えすぎてもタイムが伸びません。そこの加減が難しいと思います」


(2025年2月時点)



西武鉄道の西吾野駅近くの吾笑楽前からスタート。そこから砂利道を70〜80m南下したら左へ折れる。そこが樹齢約800年の大イチョウのある高山不動尊(常楽院)や、奥武蔵では随一の展望を誇る関八州見晴台へつながるパノラマコースのトレイルヘッドとなる。
「登りを一気に駆け上がるバーティカルコースで、前半はつづら折れのゆるいところから始まり、早い段階で急斜面が出てきます。そこを越えるとゆるやかに走れるパートが少しだけ入り、ほんの少しだけ下りのパートがあった後に、高山不動尊に入って急階段を駆け登ります。一段一段、段差の幅が違ったり、傾いたりしていて慎重にクリアしたいですが、この急階段で乳酸が溜まりきった脚で進むその後の区間のペースが、このコースでタイムを縮めるためのポイントのひとつでしょう。あと、ゴールの関八州見晴台までの登りは思ったより長いので、ここも踏ん張りどころです」


(2025年2月時点)


