西武鉄道 会社要覧2023
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事業紹介“万一”に備え「情報の共有化」を重視した体制 全線で約176kmある線路のどこで何が起きているかを迅速に把握するには、設備はもとより、機能的な組織体制が重要です。 その意味からも、当社では「運転」「電気」「施設」「車両」「情報」の5つの司令が常に「情報の共有」を図りながら、最も大切な「安全確保」という共通目的を遂行しています。この体制のもと、たとえ災害が発生したときでも最良の形で復旧を目指し、お客さまへのご迷惑を最小限にとどめるよう努めています。 信号保安設備とは、列車を安全・正確・迅速に運転するための設備です。列車速度の高速化、本数の増大、種別の多様化に伴い、当社ではATS・ATC・CTCなどを導入しています。■ ATS [Automatic Train Stop] ATSは自動列車停止装置の略称です。乗務員が万が一運転を誤り、列車の速度が速くなり過ぎたとき、列車を止めて安全を保ちます。■ ATC [Automatic Train Control] ATCは自動列車制御装置の略称で、西武有楽町線に導入されています。先行列車の位置および進路の条件に応じ、列車の速度を自動的に制御します。■ CTC [Centralized Traffic Control] CTCは列車集中制御装置の略称で、多摩川線の武蔵境〜是政駅間に導入しています。白糸台駅多摩川線運転司令所の中央操作卓で信号操作を集中制御しています。信頼性の高いさまざまな装置を導入司 令信号保安設備質の高い列車運行ときめ細かな情報提供運行管理システム(SEMTRAC) 運行管理システム=セムトラック(SEIBU MULTIPLE TRAFFIC CONTROL SYSTEM)は、コンピューター制御により、運転司令業務の迅速性、確実性を向上させ高品質の列車運行を確保するとともに、駅における信号取り扱いの自動化、旅客サービスのためのきめ細かい行先案内表示や放送制御を行います。 司令所に池袋線系と新宿線系の中央制御装置、主要駅には駅制御装置を設置した分散制御方式とし、中央制御装置は基本ダイヤの管理や運転整理などのように複数駅にかかわるものを制御しています。駅制御装置は、進路の制御など各駅の条件に属するものを制御しています。 導入線区は、池袋線系(池袋線、西武有楽町線、豊島線、西武秩父線、狭山線)=84.6km、新宿線系(新宿線、西武園線、拝島線、国分寺線、多摩湖線)=81.2kmです。 なお、機器集約を図った新たなシステムを導入するための更新工事を進めており、2023年度は池袋線系で先行導入します。※2023年8月1日現在運行表示盤33列車の安全を支える設備運行管理体制・設備

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