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西武鉄道×きらぼし銀行によるオンライン座談会
「江古田を元気にするためにできること」

2月12日、江古田キャンバスプロジェクトを主催する西武鉄道、協賛企業のきらぼし銀行によるオンライン座談会が行われ、再スタートを切るプロジェクトへの思いや、江古田を元気にするためにできることなどについて意見が交わされました。西武鉄道からは練馬駅管区長の幸田、練馬駅管区駅係員の中村、きらぼし銀行からは江古田支店長の川村と、江古田支店職員の山崎が参加。ファシリテーターをマガジハウスコロカル編集部の松原が務めました。

最初に自己紹介とともに、江古田キャンバスプロジェクトに対する思いを、それぞれ次のように語りました。

幸田:私の練馬駅管区長という職名は、江古田駅を含む7駅を練馬駅で管理する責任者を意味します。ですから、江古田駅長を兼務していると思っていただければわかりやすいかと思います。実を言うと江古田キャンバスプロジェクトの前に、西武鉄道練馬駅管区と練馬区環境まちづくり公社によって「とにかく江古田プロジェクト」が2014年にスタートしていて、イベントなどを通して江古田のまちを盛り上げてきた経緯があります。そのようななか2019年に、江古田キャンバスプロジェクトとして会社全体の取り組みが始まったことで、私自身も非常に心強さを感じています。

西武鉄道練馬駅管区長・幸田

中村:私は2018年に入社し、同年12月から2020年6月まで江古田駅に所属、今は江古田駅のみにとどまらず練馬駅管区内の複数の駅にて勤務し、経験を積んでいます。江古田キャンバスプロジェクトの昨年のワークショップにも参加させていただき、大学の方や沿線に住んでいる方などたくさんの方が江古田に愛着を持っていらっしゃることを知り、うれしく思います。私自身もプロジェクトを通して江古田をさらに好きになり、興味が湧いてきたところで、コロナの影響により活動が制限されてしまいました。感染防止対策上、オンラインでのやり取りになってしまいましたが、このような取り組みを継続しながら、江古田にまた元気が戻ってくることを期待しています。

川村: 当行は今、お客様同士をつなげるビジネスマッチングに力を入れております。今回、江古田キャンバスプロジェクトのコンセプトである、人と人、人とまちをつなぐことを、銀行としても進めていきたいと考えました。江古田支店ができたのは68年前とかなり古いので、今は江古田周辺に住んでいないお客様も比較的多い状況です。そんななかコロナによって、バック・トゥ江古田といいますか、まちのなかをもう少し見直さなければいけないと考えておりまして、銀行として江古田を活性化する方法を模索しています。

きらぼし銀行江古田支店長・川村

山崎:2019年に入行しまして、初めての配属先が江古田支店になりました。今はリテール営業を担当していまして、江古田に住んでいるお客様と接することが多いのですが、まちに親しみを持っている方が多く温かさを感じています。外を回っているときも、お散歩をしている保育園児とお年寄りがしゃべっている風景をときどき見かけ、声をかけ合う環境が整っている印象を受けています。

学生街だけではなくなりつつある、江古田のイメージ

オンライン座談会の様子。

江古田を仕事場とする人たちは、まちのポテンシャルをどう感じているのでしょう。

川村:マンションやアパートなど集合住宅を建てたいというお客様は、今までですと学生中心の小ぶりな物件を検討する方が多かったのですが、コロナ禍においては新たにファミリー層のニーズが増えています。

幸田:そうなんですね。ファミリー層にももっと魅力を感じていただける可能性のあるまちだと思っています。これまでは学生街のイメージが強かったのですが、日本大学芸術学部関係の方が子どもに美術を教える場があるとも聞いております。今後はファミリー層にももっとまちの魅力をアピールしていけたらと思います。

中村:江古田には若い人が多い印象ですが、商店街は落ち着いた雰囲気があり、新しいものと古いものがうまく調和しているので、都会のなかでも心を休ませることのできるまちだと思います。そのようなまちの魅力を多くの世代に知っていただけたらと思っております。

川村:今年になって来店者が10~20%ほど増えていまして、その多くが高齢者なのですが、何か用事があるというより、誰かとお話をしたいという方が多いようです。

ポイントは世代間をどうつないでいくか

現状を踏まえ、江古田を元気にしていくためにどんなことができるのでしょうか。

川村:商いをするお客様同士をつなげて、少しでも売上を伸ばしていくお手伝いができればと思っていますが、そのためには我々がお客様のことを知り、ニーズを探っていかなければいけません。ひと昔前の金融業はそういうことはあまりしなかったのですが、今は必要な取り組みだと感じています。

中村:はい、お客さまの新たなニーズに応える取り組みをしていきたいですね。今までなかった新たな取り組みをしていくことで新しい可能性が生まれると思っています。駅は「電車に乗るための施設」というものでしたが、「快適かつスムーズに電車をご利用いただける場所」というものも守りながら、駅に今までにない「+αの価値」をつくっていくことで“より使いたくなる江古田駅”、“より行きたくなる江古田駅”を実現できればと思っています。このまちで働く一員として、増えつつあるファミリー層の方々にも愛着をもっていただけるまちづくりに貢献していきたいですね。

練馬駅管区駅係員・中村

川村:学生と増えつつあるファミリー層や高齢者など、世代間をどうつないでいくかも大切です。銀行の立場で具体的に何ができるかはまだわかりませんが、いろんな手段が出てくると、まちとして活性化していくのではないでしょうか。

幸田:そうですね、私たちは地域に根差した企業ですのでまちの活性化に貢献できる取り組みを企業としても実行できればと思います。銀行にご年配の方がお見えになるというお話がありましたが、最近南口の駅前広場に花を植えたいという相談を近隣の町内会からいただきました。ご年配の方々は花壇の手入れをしながら、そこで生まれる会話を楽しんでいらっしゃるように見受けられました。駅前広場など人が集まるような場所が、地域の方々にとってコミュニケーションを楽しむ場にもなるのだとあらためて感じました。

川村:西武鉄道さんの沿線である秩父は芝桜の名所ですが、江古田駅の周りに芝桜があったら、沿線とのつながりも生まれそうですよね。

山崎:音楽やアート作品を披露できる場があるといいという意見も出ていましたが、高齢者の方がお客様としてそこに来て一体感や温かさが生まれるような、江古田ならではのイベントができるといいですね。

きらぼし銀行江古田支店職員・山崎

中村:はい、駅前広場など人が集まる場所を生かして、江古田ならではのイベントで世代間のつながりを増やすことができたらいいですね。

川村:日芸の関係者からお聞きしたのですが、以前は夕方になるとまちでチャンバラなどの演舞がゲリラ的に行われていたそうです。音楽はもちろんですが、演劇などほかの芸術を披露できる場があると、より江古田らしい気がします。きらぼし銀行は東京が地盤なので、東京のまちを活性化していくことが我々の発展にもつながります。このプロジェクトも、当初はどういうふうにコラボできるのか正直疑問もあったのですが、西武鉄道さんとともに一緒に何かを仕掛け、まちが変わるきっかけをつくっていくことが、あらためて楽しみになりました。

幸田:川村さんがお話されたように、人と人をつなげるのは銀行さんの強みだと思います。公共交通機関である鉄道も、今後もっとまちと関わることが求められていると感じています。お互いに人や情報をつなげることに取り組みながら、江古田の発展に寄与していきたいですね。

オンラインによるリモートや、キャッシュレス化などが一気に普及し、世の中のシステムや価値観が急速に変化するなか、長引くコロナ禍でリアルな場やコミュニケーションをより多くの人が求めているように感じます。だからこそリモートやバーチャルでは置き換えられない江古田の魅力が、今後さらに見直されていくはず。ウィズコロナ、あるいはアフターコロナの江古田のあり方を考える有意義な時間となりました。

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記事を書いた人

江古田キャンバスプロジェクト事務局