半世紀以上にわたり園芸の発展を支える〈オザキフラワーパーク〉。社長が愛する地元・武蔵関の居心地の良さとは。
尾崎明弘さん / 難波淳史 西武線在住歴50年/4年
今年創業62年目になる〈オザキフラワーパーク〉2代目代表取締役社長。/〈オザキフラワーパーク〉植木売り場担当。就職を機に、西武鉄道沿線に移住。
父から引き継いだ店を多くの方が行き交うコミュニティの場に。
新宿線「武蔵関」駅から徒歩15分ほどの場所にある〈オザキフラワーパーク〉は、「Outdoor Garden」「Indoor Garden」「園芸用品」「暮らし&ペット」の4つの売り場で構成されています。屋外の販売エリアには、トマトやナスといった身近な野菜の苗から、見たことがないほど大きなサボテンまで並び、訪れるお客さまたちを常に魅了し続けています。
「祖父の代以前から何代にもわたり武蔵関に住んでいて、もともとは農家だったんです。それを父が野菜の栽培から、シクラメンの栽培に切り替えたんですね。そうしたら、近所の人から『直接、花を売ってくれないか』と頼まれるようになって。それが好評だったので、園芸店としてお店をやることになったんです」(尾崎さん)
尾崎さんが二代目の社長に就任してからは、訪れたお客さまが楽しめるような陳列にしたり、地元野菜を使った料理を提供するカフェ〈グロワーズカフェ〉を作ったりと、リニューアルを続けることで、全国から人が集まる場所に成長していきました。リニューアルを機に併設することになった〈グロワーズカフェ〉では、すぐ近くで採れた練馬区産の野菜を使うことも。地元・武蔵関の魅力を再発見できるお店としても評判です。
「武蔵関のまわりはもちろん、練馬区って23区で一番生産緑地が多くて、植物が身近にある場所なんです。お店のまわりにもガーデニングが好きな方が多く住んでいらっしゃいます。そんな環境があったからこそ、このお店もこの地域に定着できたんじゃないかな、と感じています」(尾崎さん)
〈オザキフラワーパーク〉で働きはじめて今年で5年目になる難波淳史さんも、「武蔵関の駅から歩いてお店まで通っているんですが、どのお宅もお庭がきれいで勉強になります。あ、こんな風にあじさいを植えるのかとか、この家はバラがきれいだなとか。歩いていて楽しい場所ですね」と話してくれました。(難波さん)
流行りにとらわれない品ぞろえで、お客さまのニーズに寄り添う。
〈オザキフラワーパーク〉は、花の販売において、スタッフの対応や花の知識、花を提供する姿勢が評価され、2015年に各都道府県の花市場が推薦する専門店「五つ星認定店」に選ばれました。
「私も時間があるときはお店に立って、お客さまとの時間を大切にしています。私が担当しているのは2Fの観葉植物コーナー。お客さまやスタッフからは”ジャングル”なんて言われて親しまれています。現地に赴いて、直接買い付けることもあるんですよ」(尾崎さん)
他のお店ではなかなか見かけない植物がずらりと並ぶ光景は圧巻そのもの。なかでも夏にウツボカズラなどの食虫植物が陳列されているエリアは老若男女問わずファンが多く、食虫植物好きの少年たちも足繁く通っているのだとか。
でも、珍しいものや流行りばかりにならないよう、定番の品種もしっかりとそろえ、バランスをとっているところに〈オザキフラワーパーク〉が愛され続ける理由があります。
「バラだけでも400以上の品種を置いています。珍しいかたちの花を咲かせる品種が好きな人も、定番のものが好きな人も、一言に園芸好きといってもそれぞれです。なので、お客さま一人ひとりに寄り添えるような品ぞろえを目指しています」
〈オザキフラワーパーク〉が目指す、花と緑があふれる豊かな環境。
社長に就任する前は、オランダで花屋さんを経営していたという尾崎さん。ヨーロッパでは街全体に花が咲き誇っていた風景が印象的だったと言います。
「創業時に、シクラメンの販売を通して近所の人との関わりができたように、花や緑は地域の人たちとのコミュニケーションを深めるのに一役買ってくれると信じています。これからはヨーロッパのように、花と緑があふれる環境づくりを目指していきたいです。緑豊かな武蔵関の地から、植物とともに暮らす喜びを全国に発信できたらいいですね。また、自然あふれる武蔵関の風景や、近くで育った野菜のおいしさなどを知ってもらい、共有できるような場でもありたいと願っています。」(尾崎さん)
「〈オザキフラワーパーク〉ではじめて、園芸にふれる人も多いと思います。慣れていないと枯らしてしまったり、花が咲かなかったりと、失敗してしまうこともあると思いますが、わからないことがあったら、我々スタッフに気軽に声をかけてください」(難波さん)
園芸に興味がなくとも、何度も足を運びたくなる〈オザキフラワーパーク〉は、地元・武蔵関に住む方々の憩いの場でもあり、コミュニケーションの場でもありました。
今回ご紹介した〈オザキフラワーパーク〉について
■住所:練馬区石神井台4-6-32
■電話:03-3929-0544
■営業時間:9:00~19:00
■定休日:1/1、1/2
■公式サイト: https://ozaki-flowerpark.co.jp
※2024/02/28時点の情報です。
(photo:Noriko Yoneyama text:Marie Takada)