西武鉄道

「西武鉄道001系・5000系 先頭車ディスプレイモデル」ができるまで

商品全景(Laview側より)

「西武鉄道001系・5000系先頭車ディスプレイモデル」ができるまでをご紹介します。

西武鉄道001系・5000系先頭車ディスプレイモデルの商品詳細はこちら

完成までの道のり

その1  Laview(001系)を取材に行きました

「西武鉄道001系・5000系先頭車ディスプレイモデル」完成までの道のりを皆さんにお届けしていきます!

制作をお願いしたのは「株式会社エンドウ」さん。
実物の1/80サイズの鉄道模型を数多く制作されているメーカーで、西武鉄道の車両も5000系をはじめとして数多く制作されています。そのエンドウのご担当と一緒に2021年3月、小手指車両基地にLaviewを取材に行きました。エンドウさんもLaviewは今回が初の模型化!外観はもちろんですが、スカートや台車、車内のイスなどをひとつひとつ細かく撮影していました。 実物の80分の1のスケールでどんな風に再現されるのでしょうか。

車両基地に入ります。

車両基地に入ります。

早速Laviewがお出迎え 前面をパチリ

早速Laviewがお出迎え!
前面をパチリ

床下も細かくチェック

床下も細かくチェック

こんな道具も。

こんな道具も。

50mm四方になっていて、サイズを測ります (傷をつけないよう発泡スチロールで出来ています)

50mm四方になっていて、サイズを測ります
(傷をつけないよう発泡スチロールで出来ています)

室内も細かく撮影

室内も細かく撮影

撮影した画像などを基に設計に移っていきます。
今回はここまで!

  • 取材・立ち入りは関係部署の許可のうえ安全面に配慮して実施しています。

その2 設計室に潜入!

いよいよ工場での作業がスタートします。まずは商品の「要」になる設計です。
撮影した画像や資料を基に必要なパーツの図面を作成していくそうです。
㈱エンドウの設計部門のご担当に特に大変だったところなどお話を伺いました。
「Laviewの前頭部である独特の丸みを再現するのに苦労しました。実際の車両の写真と図面を見比べながら、Laviewの顔つきが実際の車両と雰囲気が変わらないよう、どこまでリアルに近づけられるかが難しかったです。」
 さらにお伺いすると、「資料の数字だけで設計すると「似ていない」「何かが違う」ということもあったり、また無理な設計をすると組み立てができなくなったり・・・」と、いろいろ苦労をされておりました。
お話を伺って、できあがりを予想しながら行う設計というお仕事は、とても重要だと感じました。
ここからどうのように「立体」になっていくのか楽しみですね!

設計室でご担当に伺いました

設計室でご担当に伺いました

画像や資料を見ながら図面化します

画像や資料を見ながら図面化します

最後は試作

最後は試作
画面だけではわからない箇所も立体にして何度もチェックを重ねて
いよいよ30両の制作に向かいます

今回はここまで!
次回はパーツの作成「プレス」です。

その3  プレス作業 車体は曲げて作ります!

ただいまご案内中の「西武鉄道001系・5000系先頭車ディスプレイモデル」。
設計が終わるといよいよパーツを作っていきます。
車体本体は主に「真鍮」。正面の運転席付近は「ロストワックス」という鋳造の方法で作ります。
今回は車体の加工のうち、「プレス」作業で車体を曲げる工程を拝見させていただきました。
㈱エンドウのプレス部門のご担当にお話を伺いました。
「Laviewの屋根の角度は特殊でしたね。設計部門ともやり取りをしながら実物の車両にどこまで近づけるか、またこの後の作業で「車両の正面」と「連結面」のパーツを組み合わせたときに、いかに隙間なくぴったり作れるか試行錯誤しました。」
次の工程作業がスムーズに行くように考えながら設計図から形を生み出しているというお話を伺い、細かい部分までこだわって作っていただいているのがとてもよく分かりました。できあがりが待ち遠しいですね!

プレスの作業現場に入ります

プレスの作業現場に入ります

最初は「板」の真鍮

最初は「板」の真鍮。
窓やドアになる箇所に穴を開けて機械にセット。
プレス前の板が変形されて車体らしくなってきました。

加工前(手前)の平らな板が、加工後(奥)は立体に。

加工前(手前)の平らな板が、加工後(奥)は立体に。

連結面の試作パーツ

連結面の試作パーツ。
車体と連結面、2つのパーツをきれいに取り付けるため少しずつサイズを変えたものを準備。

こうして曲げた車体と連結面を少しずつ合わせていき、生産時の車体の曲げ具合や連結面のサイズを決めたそうです。

こうして曲げた車体と連結面を少しずつ合わせていき、生産時の車体の曲げ具合や連結面のサイズを決めたそうです。

今日はここまで。
次回は「はんだ付け」です。

その4  はんだ付け ラビューになってきた!

プレス・曲げなどの作業が終わったボディは、組み立てに入ります。
金属パーツ同士は「はんだ」で取り付けていきます。
(株)エンドウの組み立て部門のご担当にお話を伺いました。
「真鍮は素材のままだと置いておくだけで空気中の酸素を吸っていき時間が経つと錆びていくことがありますので、手早く作業していきます。また、はんだ付けをした後につなげた部分を整えていくのですが、特にラビューは表面を滑らかに整えていくのが大変でした。」
ひとつひとつのパーツが手早く丁寧にはんだ付けされ、ピカピカに磨かれているのを見て、少しずつ完成に近づいているのを感じました。

組み立て作業の現場に入ります

組み立て作業の現場に入ります

ラビューの先頭車はこんな感じのパーツ構成です

ラビューの先頭車はこんな感じのパーツ構成です

ロストワックス製のラビューの運転席付近のパーツ

ロストワックス製のラビューの運転席付近のパーツです。
右が整形すぐで、左が磨かれたもの。
はんだ付け前にある程度磨かれますが、ピカピカになっていて違いがよく分かりますね。

「ジュ~~~」という音とともにひとつひとつ手早く丁寧に取り付け。全てが「手作業」になり、集中した作業が続きます。

「ジュ~~~」という音とともにひとつひとつ手早く丁寧に取り付け。全てが「手作業」になり、集中した作業が続きます。

はんだ付けが終わったボディ

はんだ付けが終わったボディです。右には「レッドアロー」も登場!
この姿を見られるのもこのタイミングだけで、貴重なショットです!

今回はここまで。
次回は「塗装から印刷」になります。

その5  塗装・ロゴなどの貼り付け  ボディに風景は映り込むか???

「はんだ付け」作業が終わったボディや、細かなパーツは塗装とロゴの貼り付け作業などに入っていきます。
(株)エンドウの塗装部門のご担当にお話を伺うと、
「ラビューのような単色の車両は少しの濃淡、明暗でも印象が変わります。実際の車両もコンセプトに合わせて特色のある素材感を追及して塗装されたと聞いていましたので、模型でも実車のような質感と光沢が出るような「調色」作業は大変でしたが、とても楽しかったです。」
「職人の血が騒ぐ」という感じで楽しんで作業に当たっていただいたようです。
私たち西武鉄道のスタッフも模型用に調色いただいたものと実車の塗装見本を比べて確認をしましたが、本当に少しの差で印象が変わることを実感しました。

調色をして比べていきます

調色をして比べていきます。
見本プレート(左)と車体へ試しに塗装したもの(右)を室内で見た後に・・・

外に出て太陽光の下でも確認

外に出て太陽光の下でも確認。
写真ではわかりにくいですが、見え方が変わります。

製品塗装

何種類か作り、関係者皆で悩んだ末に決定した色で製品は塗装されました。
ボディ前面の左側に「レッドアロー」が映り込んでいるのがわかりますでしょうか?

パーツの塗装現場

パーツの塗装現場をのぞかせていただきました。
これは屋根に乗っている「クーラー」の塗装。ホコリに気を付けながら塗装していきます。

塗装後のボディ

こちらは塗装後のボディ。
ほこりなどが入っていないかチェックします。

ロゴなどの貼り付け作業

塗装が終わるとロゴなどの貼り付け作業です。
今回「Laview」のブルーリボン賞記念ロゴは「レタリング」で再現されています。
写真の上にはレッドアローの車番も準備されています。

位置決めをしてから丁寧に転写をしていきます

位置決めをしてから丁寧に転写をしていきます

きれいに仕上がりました

きれいに仕上がりました

今回はここまで。
次回はガラスや座席など取り付けて、いよいよ完成になります。

その6   最終組み立て ~そして完成へ~

いよいよ大詰め。細かなパーツを合体させていきます。
(株)エンドウの組立部門のご担当にお話を伺いました。
「ボディなど各担当がここまできれいに仕上げてきていますので、傷をつけないように、またパーツをつけ間違えないように慎重かつ集中した作業の連続です。」
ひとつひとつのパーツが組み合わさって車両になっていく様はまさに「感動」でした。

床下機器、床板、椅子、化粧室の仕切り

床下機器、床板、椅子、化粧室の仕切り・・・
様々なパーツが組み合わさっていきます。

側面のガラスパーツ

こちらは側面のガラスパーツ。保護用の青いシールをはがして車体に取り付けます。
カーテンのイラストもちらっと見えています。

ガラスのパーツを車体に取り付けます

ガラスのパーツを車体に取り付けます。
上下左右で向きを間違えないよう、また接着剤を使用しますのではみ出さないように気を付けます。

前面のガラス

こちらは前面のガラス。
曲面のパーツを車体とぴったり合わせるのは緻密な設計と成型する職人さんの技があってのことです。

たくさんのグレーの椅子が準備されています。これは・・・

たくさんのグレーの椅子が準備されています。
これは・・・

運転席でした。

運転席でした。
ちなみに後ろの黄色い椅子が客席です。

いろいろなパーツが合わさっていよいよ完成です

いろいろなパーツが合わさっていよいよ完成です。こちらは「Laview」側。
左は2020年度の「ブルーリボン賞」のプレート、右は「ロゴ」や「シリアルナンバー」が入ったプレートです。

黄色い椅子

黄色い椅子もご覧の通り。
窓が大きく内装もしっかり見えており、実車同様に目立つ存在です。

「レッドアロー」側

反対の「レッドアロー」側。
左側は1970年度の「ブルーリボン賞」のプレート、右は「ロゴ」や「シリアルナンバー」が入ったプレートです。
ちなみにこの「特急レッドアロー号」のロゴは・・・

パンフレット(復刻版)

付属するデビュー当時の「パンフレット(復刻版)」(画像左下)で探してみてください。

商品全景(Laview側より)

(株)エンドウのスタッフの皆様をはじめ、製品化に対してご協力をいただきました関係皆様ありがとうございました。
私たちも大切に販売し、お客さまへお届けいたします。

お問合せ

西武鉄道 事業運営室(受付時間 10:00~16:00 土・日・祝日を除く)
TEL.(04)2926-2474
FAX.(04)2926-2178